「若さま侍捕物帖」(その10) [映画(邦画)]
今回は、前作から9ヶ月という間隔で1961年9月に劇場公開された、東映シリーズの第9作(カラー作品になってからは4作目)についてです。この物語は、シリーズ中でも唯一となる、江戸を離れての物語である。
東映・大川橋蔵主演シリーズ第9作「若さま侍捕物帖 黒い椿」
作品データを記しておくと、1961年の東映京都の作品であって、時間は94分、原作は城昌幸、監督は沢島忠、脚本は鷹沢和善と山崎大助の2人、撮影は山岸長樹、美術は井川徳道、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大川橋蔵、丘さとみ、青山京子、千秋実、山形勲、田中春男、河野秋武、阿部九州男、沢村宗之助、水野浩、坂東吉弥、金剛麗子、水原みゆき、中村時之介、神木真寿雄、尾形伸之介、時田一男、小森敏、片岡半蔵、春路謙作、若井緑郎、槙章太郎、中条ひろみ、松川純子、条ちづる、たちである。
保養と言うことで、伊豆大島にやってきた若さまは、美貌の女主人・お園と番頭・金助のいる「椿亭」という宿に泊まることにした。若さまは「御神火」を見物しに行くが、そこで若さまはお君という娘を見かけた。お君は、江戸侍と土地の娘・お里の間に生まれた子供で、お里は父なし子を生んだとして責められて三原山に身投げしていた。お君は祖父で漁師の作造と暮らしていたが、島のボス・網元甚兵衛がねらっており、気弱な油屋与吉が求愛していた。そんな中、網元が何者かによって銛で突き殺された。姿を消したお君が疑われるが、若さまは他に犯人がいると睨んでいた。で、若さまは事件について調べていく。第二の被害者が出る中、手掛かりを掴んだ若さまは怪しい女を追い、女は観念して口を割ろうとしたが、修験者に口を塞がれてしまう。その修験者を嘔吐、それは金助だった。金助は弥太五郎の女房・お園と大阪から大島へ逃れてきて、番頭に収まり、お園の色気で名主や網元から大金を得ていた。しかし、お園が網元の女房になろうとしたことで、網元を殺してその罪を弥太五郎に被せようとしたのだった。その頃、おそのは火口でお君と作造に短筒を向け、始末しようとしていた。駆けつけた若さまが間一髪の所を助け、金助が全てを語ったと知ったお園は、火口の奥深く消えていった。
舞台がいつもの江戸でないこともあって、若さまの知らない土地が舞台となり、これがよりサスペンス性を高めている。その一方で、これまでのお馴染みのパターンであった部分が打破できているので、新鮮みがある作品となった。ただ、申すことテンポ良く物語が進めば良かったのですがねぇ...
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