SSブログ

「DET SJUNDE INSEGLET」 [映画(洋画)]

表題の作品は1956年のスウェーデン映画「第七の封印」である。(英語タイトルは「THE SEVENTH SEAL」である。)日本での劇場公開は1963年11月であった。I・ベルイマン監督が、騎士と死神の対決を通して神の存在を問い掛けた作品として知られていて、世界的な映画監督として彼が知られるようになった作品群の一つでもある。また、M・V・シドーとB・アンデショーンは本作が出世作となって、世界的に知られるようになった。尚、本作はカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞している作品でもある。

作品データを記しておくと、時間は97分、白黒作品である。監督と脚本はイングマール・ベルイマン、撮影はグンナール・フィッシェル、音楽はエリック・ノードグレーンである。そして出演は、マックス・フォン・シドー、グンナール・ビョルンストランド、ビビ・アンデショーン、ニルス・ポッペ、ベント・エーケロート、グンネル・リンドブロム、オーケ・フリーデル、インガ・ジル、ベティル・アンデルベルイ、モード・ハンソン、たちである。

十字軍の遠征を終えて、騎士アントニウスは従者のヨンスを従えて、10年にもわたる無益な遠征から帰国した。しかし、彼が見た故国は、疫病がはびこり、邪教は跳染していた。そんなアントニウスは、自分を追ってきた死神の存在に気づいた。死神は彼に死を宣告するが、自らの命を賭けたチェスでの対決を申し入れた。それは死を恐れての時間稼ぎではなく、神の存在を確認して、徒労に終わった戦役で揺らいだ信仰を取り戻すためのものであった。が、チェスの勝負は長引き、その間に彼は妻の待つ居城へ向かう。その道中で様々な人たちと出会っていくアントニウスであったが、結局、チェスの敗北を認めざるを得なくなった。で、彼は自分の魂の救済も、神との対話も、何一つ達成できなかった。ただ、途中で出会った旅芸人一家だけは死に神から救った。古城で妻と再会したアントニウスは晩餐を取るが、死に神が現れ、アントニウスだけでなく、その場にいた人全ての命を奪っていった。アントニウスに助けられた旅芸人一家は、翌朝、死神に先導されて数珠繋ぎになって死の舞踏を踊るアントニウスたち犠牲者たちの姿を目にしたのだった。

本作を理解するには、キリスト教に対する知識が必要であり、死生観に関しては学んでおく必要がある。また、物語の時代設定である十字軍の遠征についても知識を持っておく必要がある。よって、そういう知識を持っていない場合は、少し勉強してから見た方が良いのは言うまでも無い。が、そうして鑑賞すると、難しいテーマを上手く描いていることが分かる。(カンヌをはじめ、賞を受賞していることがそれを証明している。)

ベルイマン監督作品であり、本作から名優として知られるようになるM・V・シドやB・アンデショーンのことを考えると、絶対に見ておきたい作品の一つであるが、予備知識を入れてから楽しみましょう。(娯楽作品ではないだけに、作品を鑑賞する前に予備知識として学んでおくという作品も時には宜しいかと...)

 

第七の封印 [DVD]

第七の封印 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。