尾崎亜美『LITTLE FANTASY』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1979年10月に発表された彼女の5枚目のアルバムである。同時に、東芝EMI時代のラスト・アルバムであり、初の彼女自身の(単独)セルフ・プロデュース・アルバムである。→ある意味、彼女の集大成とも言うことの出来るアルバムである。(前作までの共同プロデューサだった武藤敏史は、本アルバムではエグゼクティヴ・プロデューサということになっているので、彼も本アルバムに関わっている。)
収録曲は、オリジナル盤では全10曲であったが、2009年に再発された時に2曲のボーナス・トラックが追加されて全12曲となっている。収録曲は以下の通りである。『FOR YOU』『LITTLE FANTASY』『BLUE CITY』『香港紙人形』『RAIN WALTZ & LOVING YOU』『ジェシー』『スローダンシング』『少年の炎を消さないで』『心にメイクアップ』『午前五時の旋律』。(以下、ボーナス・トラック)『ジェシー(シングル・ヴァージョン)』『回転木馬(シングル・ヴァージョン)』。
この中からは、アルバム・リリースの8ヶ月前に『ジェシー』(B面曲は『回転木馬』)が、空にアルバム・リリースの4ヶ月前に『スローダンシング』(B面曲は『心にメイクアップ』)がシングルとしてリリースされている。(そのため、やはり「シングル・カット」と言うよりも「シングル曲を収録した」と言った方が正解ですね。)
お薦め曲は、『FOR YOU』『LITTLE FANTASY』『ジェシー』『スローダンシング』『心にメイクアップ』『午前五時の旋律』という所をピックアップしておく。
セルフ・プロデュース・アルバムは、ミュージシャンが自分の殺りたいようにやることが出来るものの、場合によってはそれがとんでもない方に走ってしまって、やり過ぎたことによる凡作になってしまうこともあるのだが、本アルバムではそういうこともなく、繊細で豊かな表現力によって素晴らしい彼女の世界を表現している。また、完成度も高く、傑作となっている。「聴くべし」ということになる名作である。
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