太田裕美『短編集』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1975年6月に発表された彼女の2nd.アルバムである。前作の延長線上にあるアルバムであって、じっくりと聴かせる楽曲が集まっているアルバムである。チャートライラ機は、オリコンで最高位41位を記録している。
収録曲は以下の全12曲である。『白い封筒』『太陽がいっぱい』『やさしい翼』『ねえ…!』『たんぽぽ』『回転木馬』『すれちがい』『妹』『レモンティー』『ピアニシモ・フォルテ』『紙ひこうき』『青い封筒』。
この中からは、アルバム・リリースの2ヶ月前に『たんぽぽ』がシングルとしてリリースされて、オリコンで最高位33位を記録している。(彼女の2枚目のシングル曲である。)尚、B面曲はアルバム未収録の『リラの花咲く頃』であった。
お薦め曲は、シングル曲の『たんぽぽ』と、『白い封筒』『太陽がいっぱい』『やさしい翼』『回転木馬』『妹』『レモンティー』という所をピックアップしておく。
前作と同様に、派手な曲はないが、やはり粒ぞろいの佳曲が集まったアルバムとなっている。しかも、全体構成も上手く、アルバム・タイトルが示すように、短編の私小説が集まっているような感じがするアルバムである。
アルバムの傾向は前作と同じであるが、彼女の歌い方などには進化が見られていて、表現力がより豊かになっている。そして、それは彼女の歌唱力と相まって、素晴らしい彼女の世界が完成している。
全体的には地味なアルバムであるが、彼女の歌の上手さを感じるアルバムであるだけに、しっかりと聴いておきたいアルバムの一つである。
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