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歴史的資料・現る [歴史]

ドイツとイギリスから、それぞれ歴史的資料として価値の高いものに関するニュースが流れた。ドイツからは、今まで知られていなかったバッハの自筆楽譜、イギリスからは、初めて「アメリカ」という表記のある約500年前の世界地図である。

バッハの自筆楽譜は、1713年にザクセン・ワイマール公国のウィルヘルム・エルンスト大公の52歳の誕生日のプレゼントとして書かれた弦楽器の伴奏によるアリアである。これは、去年の9月に火事に見舞われたワイマールのアンナ・アマリア図書館の保管文書分類作業の過程で見つかったものという。で、「さらに夢のような発見がありそうだ」ということで、まさに「火事」という悪夢から駒といった感じで日の目を見たということになった。

地図の方は、ドイツの地理学者であるワルトゼーミュラーが1507年に作成したもので、印刷された地図として初めて新大陸を「アメリカ」と表記されたものである。尚、「アメリカ」という名称は、アメリカ大陸を新大陸と主張したイタリアの航海者アメリゴ・ベスプッチにちなんでワルトゼーミュラーが命名したとされている。また、北兵と南米が分けられて、太平洋を描いた最古の地図と言われている。この地図は、縦横が18cm×35cmで、舟型多円錐図法で描かれている。(舟型多円錐図法とは、経度30度ごとに切断して12の舟底型を作り、それぞれを正距多円錐図法で投影して並べた図法である。簡単に言うと、球体である地球儀を切り取って平面にしたものと言えば分かりやすいだろう。)で、この地図が、クリスティーズで約54.5万ポンド(約1億600万円)で落札されたという。(落札者は明かされていない。)

いずれのものも、過去の歴史がひっくり返るようなものではないが、その歴史的価値は大きい。特にバッハに関しては、未知の新曲が世に出てくる可能性があり、今後の行方が楽しみである。



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古代ファラオの石像発見 [歴史]

古代エジプト第13王朝(約3600年前)のファラオ・ネフェルヘテプ1世とみられる等身大の石像がエジプト南部のルクソールで発見された。高さが約1.8mのもので、2体が手を繋いでいる姿をしているという。(内1体はまだ砂の中に埋もれている。)エジプト考古庁最高評議会は「情報の少ない第13王朝の歴史を知る上で貴重だ」としている。

最近、ツタンカーメン王の顔をCGで復元したという話があったのをはじめ、古代エジプトに関する新たな発見が話題になっているが、またも新たな発見というのは歴史ロマン心をくすぐってくれる。石像と言えば、巨大石像と思われがちだが、等身大の像となると、神殿に崇拝のために奉られるということ以外にも何らかの意図があって製作されて利用されていたことが予想される。それが何なのかは今後明らかになっていくだろうが、それまでの間は想像の世界を大きく広げさせてくれる。

今回の石像については、まずは完全な姿での発掘を行うことが先決であるが、この石像以外にもまだありそうな気がして、ワクワクしてくる。更なる新たな発見を期待したい。



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ルノワール作品、3.1億円で高額落札 [歴史]

景気の良い話を。(でも、疑問も感じてしまう...)

ルノワールと言えば印象派の巨匠・画家として有名であるが、そんな彼が描いた一対の油彩「花かごを持つ女」と「婦人習作」(いずれも1895年の作品)が、4日に東京都内のホテルで開かれたオークションで、3.1億円で落札された。(実に景気の良いお話である。)

主催したシンワアートオークションによると、この落札額は、2000年に3.6億円で競り落とされた岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」に次ぐ国内史上2番目の高額落札額という。また、落札者は「麗子肖像」と同じ広島県廿日市市のウッドワン美術館とのこと。(この美術館ってお金持ちですね。)しかし、このように落札者を公表しちゃっていいのかしら...?(でも、この絵画を展示したら分かっちゃいますね...)

ちなみに、海外では1年前にピカソの「パイプを持つ少年」が約1億400万ドル(当時の為替で約113億円)が絵画の史上最高の落札額という。(こちらも呆れてしまうほどの額ですね~)

絵画は人類の文化遺産である。それが売買に出るというのは事情があってのことだとは分かっているが、「身売り」されるという印象を受けてしまい、ちょっぴり寂しさを感じてしまう。どこかの美術館とか博物館で腰を落ち着けた形で展示されるようになってもらいと思うのだが...



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新種の恐竜、アルゼンチンで発見 [歴史]

アルゼンチンで、ジュラ紀後期(約1.5億年前)の地層から首の短い新種恐竜(全長約10m)の化石が見つかり、イギリスの科学誌「ネイチャー」に発表した。化石は、首と尾が非常に長い草食恐竜「竜脚類」の仲間だが、首の長さが胴の75%しかなく、極端に首が短かったと推定されている。この化石は、現地の羊飼いの男性が群れからはぐれた羊を捜す途中で発見した。短い首を意味するギリシャ語と組み合わせて「ブラキトラケロパン・メサイ」と名付けられた。

ジュラ紀の中期から後期にかけては、マメンチサウルス、セイスモサウルス、ディプロドクスなど全長20mを超す巨大な竜脚類が繁栄し、中でもマメンチサウルスは首が胴の4倍の長さに達するなど、長い首が特徴である。(背の高い植物を食べるために首が伸びたものとされている。)今回見つかった化石は、首以外の骨格は竜脚類の特徴を備えていた。研究チームは「高さ1~2mの背の低い植物を食べるため、首が短く変化したのではないか」と分析している。

新たな恐竜が発見されたということは、今までの認識にはない新しい恐竜の世界観が広がってくる。首が短い草食恐竜がいたということは、餌となる比較的低い樹木があったと考えることができる。または地面に生えていた草木を食べていた可能性も考えられる。となると、餌となる草木を奪い合うライバルとなる小形の草食恐竜が少なかった/存在しなかった、というようなことが考えられる。つまり、今まで考えられていた恐竜の生態系とは異なる生態系が存在していた可能性がある。(一部地域だけのものだと思われるが。)こうして考えていくと、新たなロマンを感じさせてくれる。それにしても、名前が言いづらい...



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キトラ古墳の技術がエジプトへ [歴史]

日本の古墳における技術がエジプトに出ることになった。それは壁画の修復/保存に関係するものである。(関西大学のグループが発表した。)人類の宝でもある歴史的価値の高い壁画を守るということで、大いに役立ってもらいたいことである。

紀元前2360年ごろの王女イドゥートの地下埋葬室に描かれた壁画で行うもので、肉や鳥、ビールなどの彩色画とともに、供物のリストが象形文字で刻まれているが、部分的に剥落していて危険な状態になっているという。この壁画を奈良県のキトラ古墳と同じ方法によって一旦はぎ取り、修復するという。キトラ古墳は西暦700年頃のものであるが、そこから更に3000年前の壁画ということになるが、エジプトの古代文明の歴史の重さを改めて感じさせてくれる。現代からは4000年以上も前の壁画となるが、是非とも現代に甦らせてもらいたいものである。

既にエジプト当局の許可を得ており、今年の12月にはぎ取りを開始する予定という。エジプト学の吹田教授は「日本の技術を世界に紹介し、エジプトの壁画修復に道を開きたい」と話している。ODAで金をばらまくような発想しかないバカ政府とは違い、人類の宝を守るという大いに価値のあることなので、大いに役立ってもらいたいことである。(他の古代文明の遺産についても同様であるのは言うまでもない。)



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世界最古の鋼 [歴史]

トルコのカマン・カレホユック遺跡から出土したアッシリア商人居留地時代(紀元前20~18世紀)の鉄片が、世界最古の鋼だったことが分かった。これまではアナトリアで力を誇ったヒッタイト帝国(紀元前14~12世紀)が初めて鋼を作ったとされていたが、これにより鋼の歴史は400~600年遡ることになる。

鋼は鉄よりも強靱であり、高度な製鉄技術が必要である。そのため、鋼の登場はヒッタイトの台頭による新しい歴史となったとされていた。これが覆ることになり、アッシリア商人の所にあったとなると、鋼はヒッタイトとどういう関係になるのか、興味がわくところである。

先日のツタンカーメン王といい、これまでは歴史の謎とされていたことが解明されたり、歴史が覆るというのは、考古学の進歩だけでなく、解析技術の進歩でもある。古代の歴史にはそれだけでもどことなく神秘に満ちあふれたロマンを感じるが、今までの通説が覆るのはちょっぴり寂しさを感じてしまう。しかし、新しい事実が分かるということでもあり、新たなロマンが生まれることにもなる。(だけど、ちょっと複雑な気持ちにもなってしまうのが正直なところである。)



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ツタンカーメン王 [歴史]

ツタンカーメン王のミイラがCTスキャンされたということは少し前にニュースとして流れた(今年の1月)ことから知っていたが、そのデータを元にして、ツタンカーメン王の顔を再現した模型が公開された。その模型は、フランスと米国、エジプトの学者チームがそれぞれ作ったものである。

黄金のマスクで知られているツタンカーメン王、ミイラのマスクは生前の顔を模して作られているということで、模型の顔がどうかと思ったが、やはり黄金のマスクに似ている。やはりマスクは生前の顔を模すというのは正しいことであったと言える。また、若くして亡くなった王だけに、幼さがあるか、大人びた顔立ちなのか、ということも気になったが、凛々しい顔をしているのはさすがは王ということを感じさせてくれた。

尚、ツタンカーメン王の死因は突き止められなかったが、頭部への打撃による殺害説や、事故による胸部圧迫説は否定され、足の怪我が原因となって亡くなったという説が浮上してきたという。これについては、はっきりと突きとめてもらいたいという気持ちと、謎が残っている方が神秘的であり、解明されないで欲しいという気持ちの両方がある。(歴史にはロマンを求めてしまう...)



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最も美しいミイラ [歴史]

エジプトといえば、ピラミッド。何種類かのピラミッドが存在しているが、階段型ピラミッドで知られるエジプト北部にあるサッカラ遺跡で、エジプトの発掘チームが発見したミイラが「過去にエジプトで発見されたミイラの中で、最も美しいものである可能性がある」と発表された。(吉村先生ではない。)

このミイラは、約2300年前の古代エジプト第30王朝のものとみられ、金のマスクを着け、布やパピルスなどをしっくいで固めて作った覆いに包まれていた。覆いには真実の女神マートやハヤブサの頭を持つ神ホルスなどが色鮮やかに描かれている。また、ミイラのマスクは純度の高い金製とみられている。このミイラは2ヶ月前に深さ約6mの縦穴の底で砂に埋もれた木棺に収められた状態で見つかったが、誰なのかは分かっていない。(これから調べるという。)

それにしても、墓荒らしに遭わずに発見されたものである。墓荒らしはミイラと一緒に埋葬されている宝石や宝物を盗むだけでなく、場合によっては人型をした木棺までも盗んでいく。それだけに、きれいな木棺は荒らされていることが殆どである。

しかし、発見されたミイラの眠りを妨げる者には王家の呪いがふりかかる、という伝説がある。ツタンカーメン王の発見時もそうであった。今回はそういうことは無いのだろうか?(21世紀の現代に「呪い」なんてバカにする声が殆どだろうが、やはり気になってしまうのである。)



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文化庁の失政の犠牲者・高松塚古墳 [歴史]

1972年に発見され、石室の壁画が国宝にもなっている奈良県明日香村の特別史跡・高松塚古墳。現在は壁画の劣化問題(カビの繁殖)で壁画が失われてしまうとして大騒ぎになっている。石室内ではカビとダニが相互に繁殖する「生物の連鎖」が起きているということが文化庁の分析で分かった。

その分析の報告書では、石室内のカビの発生は2004年春から続いているとし、微生物の専門家3人の分析結果では、「発生したカビがダニの餌になり、ダニの排せつ物や死がいがカビの栄養分になっている」と指摘し、「現地保存では微生物、微小動物による被害を防ぐことはできない」と結論づけている。また、2001年2月に石室入り口の外で実施した壁面強化工事で、カビが大量に発生し、これをきっかけに石室内でも気温の高い時期に黒褐色のカビなど壁面を著しく汚すものが発生するようになった。更に、この殺菌処置のために人が出入りすることで石室内の温度が上昇し、新たなカビが繁殖する悪循環に陥っているという。

ということは、文化庁の高松塚古墳に対する対処と管理が悪かったということになる。発見時には美しい壁画が見られたのだから、古墳が作られてから発見されるまでの1000年以上の時間は劣化は無かったと言える。それが、発見されてからの30年ちょっとという短期間で劣化させてしまったのだから、これは大問題である。これからは大金(それも税金)が注ぎ込まれることにならざるを得ないだろうが、これも役所の政策が愚策であったということを証明している。



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