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関空橋の防風工事の実験 [科学/技術]

強風のために、しばしば鉄道の運行が規制される大阪・泉佐野市と関西空港を結ぶ関西空港連絡橋(全長3.75km)の防風工事のための風洞実験が、滋賀県米原市にある鉄道総合技術研究所の風洞技術センターで報道陣に対して公開された。この連絡橋の両端には、1997年に高さ2藻の防風柵が640mにわたって設置されたが、風速26m以上の強風となると、運行を停止することになっている。で、2003年度には13回、2004年度には19回の運行規制が行われ、鉄道の運行が停止され、利用者から不満の声が寄せられていたという。で、実験によって運行規制の回数を減らすことが出来るような対策を行おうというのである。

実験では実物の1/40の大きさの連絡橋の一部(全長5m)の模型を製作し、そこにJR西日本と南海電鉄の電車の模型を並べ、防風柵があった場合となかった場合、風向きなどを変えて、合計80ケースを想定してデータを集める実験を行う。風は、直径5mの送風機を使用し、風速10mの風を気化した油による白い煙とともに電車の模型に当てて、風の流れ方や空気抵抗を調べる。

だが、不満を言う利用者というのは何を考えているのであろうか。安全よりも他のことを優先しようという単なるわがままなバカとしか思えない。そもそも運行規制を行うのは、電車の安全を確保するためである。また、連絡橋に強風が吹くようだったら、飛行機の発着に対しても何らかの影響(運休を含む)があるものである。それなのに、危険のある中を移動しようと考える方に問題があるとしか思えない。

ただ、関空内の施設と、連絡橋の入り口となる「りんくうタウン」駅については、鉄道の運行が停止した場合に備える施設が不十分であることは否めない。橋に工事をして運行規制の回数を減らすことを考えるのであれば、先に駅の設備を充実化させることを考えるべきである。

模型による実験である程度のことが分かるとはいえ、実物では更に何が起こるかわからないものである。防風柵に工夫をすることで運行規制の回数が減るということは、危険な条件下での運転が増える可能性があるということである。万が一、何かのトラブルが起こり、橋の上で立ち往生したり、脱線でもしたらどうするというのだろうか。(万一、橋に損傷を与えることになったら、橋の利用を停止するしかなくなり、そうなると関空は実質的に閉鎖せざるを得なくなる。)そんなにも不満を言うような輩には、空港島と泉佐野との間を海底トンネルでつなぐことが必要だ、とでも言って、その工事費を出させるようにした方がよろしいのでは...



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