SSブログ

テラヘルツ波で検査 [科学/技術]

物質を透過しやすいことからX線を使った非破壊検査装置というものが利用されているが、これに替わるものとして、テラヘルツ波を利用してコンクリートや木材など建材内部を画像化し空洞や異物があるか表すシステムを財団法人半導体研究振興会半導体研究所が開発した。

これは、素材ごとに異なる透過や反射の強弱をとらえ、白黒の濃淡でモニターに表示する仕組みであり、目視やハンマーで叩き、その反射音を調べる方法が主流だったトンネル内壁の劣化検査に応用可能という。

「テラヘルツ波」というと、何か新しいものなのか、ということになるが、これは特に新しいものではない。これまで利用されていたX線や超音波と原理的には大差はない。違いは、検査に用いる電磁波の周波数が違うということである。可視光と電波の間という位置づけがされるのがテラヘルツ波である。(「THz」と記した方が分かりやすいだろう。尚、テラ(T)は10の12乗であり、1T=1000Gである。)当然、可聴周波数より上の「超音波」やテレビ、ラジオ放送の電波よりも周波数は上であるが、可視光やX線よりは周波数は低い。また、X線のような放射線の影響は無い。

周波数が高いということは波長が短くなるということであり、テラヘルツ波の波長は電波よりも短くなる。ということで、電波を用いたものよりも対象物を高い精度で調べることが出来る。(原理的に、X線利用のものよりは解像度は低下する。)電波を使う同様の機器よりも精度が上がるということで、広い利用範囲が期待できる。今後の応用に期待したいところである。



共通テーマ:ニュース
ジャスティライザー45話戦隊回顧録31 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。