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台湾新幹線、開業1年延期 [国際]

日本が初めて新幹線システムを輸出したことになる台湾高速鉄道(台北~高雄間約345kmを約1時間半で結ぶ台湾新幹線のことである。)の事業主体である台湾高速鉄道の会長が記者会見し、工事の遅れのために今年10月末に予定していた開業を1年間延期し、来年10月末の開業を目指すと発表した。

これは、日本の企業連合(川崎重工業や三井物産などの7社)が請け負った新幹線の心臓部となる機械電気システムの工事遅れが主因という。が、台湾高速鉄道で設計や検査・監督をするスタッフは欧州勢が多く、日欧の技術陣の意見がかみ合わないことから工事が遅れていて、今年7月末現在の工事進捗率は60%に留まっているという。また、営業開始の延期で台湾高速鉄道の資金繰りなどに問題が生じる恐れもあり、日台間に新たな問題となる可能性もある。

結局、これは日本の企業連合の対応が悪かったのも一因である。そもそも新幹線というのは、単に線路を引いて、車両を用意するだけのものではなく、運行管理システムまでを含めたシステムなのである。欧州(フランス)の高速鉄道であるTGV等とは概念も違っているのに、どうして日本人の技術者ではなく、欧州の技術者が多いというのか。技術を輸出するということは技術指導を十分に行う必要があるのは明白である。その体制が不十分であったのだから、ゴタゴタが起こるのも当然といえる。

いずれにしても、工事が遅れているのだから開業が延期になるのは仕方ない。問題は、開業黙秘用に合わせるために手抜き工事が行われないかということになる。更に、完成して営業を始めたとなると、システムの運用を上手く行っていくことができるのか、ということになる。天災による脱線事故を除けば、大きな事故が発生していない新幹線システムだが、海外でいきなり事故を、ということにならないでもらいたいものである。(下手をすれば、システム運用トラブルで事故に繋がる可能性を否定できない。)



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