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HUEY LEWIS AND THE NEWS『PICTURE THIS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年にリリースされた彼らの2nd.アルバムである。が、発表当時はそんなに評価されるようなものではなく、翌1983年の3rd.アルバム『SPORTS』の登場の後になってから再び目が向けられたというものである。が、荒削りな部分と、洗練されたサウンドが混じっていて、未完成の美学が漂うアルバムである。(彼らは、1985年の映画「BACK TO THE FUTURE」で主題歌『Power Of Love』を提供することになり、これ1曲で'80'sを代表するバンドにまで上り詰めることになる。)が、彼らが新しい波を音楽シーンに運んできたことだけは間違いのないことである。

まずは『Change Of Heart』で幕を開けるが、この曲はテンポの良い正統派のロック・ナンバーである。下手な小細工が無いだけに、元気を感じることが出来、幕開けとしたらまずまずである。続く『Tell Me A Little Lie』はミディアム・テンポのナンバー、続いてはポップなナンバーであり、ブラスのサウンドが印象的な『Giving It All Up For Love』、ミディアム・テンポで懐の深さを感じる『Hope You Love Me Like You Say You Do』、一転してアップテンポで小気味のいいロックンロール・ナンバーとなる『Workin For A Livin』と前半の曲は続く。

そして、やっと登場する『Do You Believe In Love』。この曲はシングル・カットされてヒットチャートを賑わすことになったが、この曲によって彼らの名前が広く知られることになったという記念すべきナンバーでもある。ブラス・セクションとテンポのよいリズム、更にはコーラスがマッチングしたことから、この曲の完成度は高く、同時に将来性を感じ取ることにもなった。(本アルバムの中ではベスト・チューンである。)次は、スローテンポなバラードとなる『Is It Me』、再びロックのリズムになり、ミディアム・テンポで、何処かにドゥービーのテイストを感じる『Whatever Happened To True Love』、小気味のいいチューンであり、サビのコーラスが魅力的な『The Only One』、そしてラストがビッグ・バンド風のサウンドの『Buzz Buzz Buzz』で結びとなる。いずれの曲も悪いというものは無いのだが、曲順構成をもう一工夫すれば、収録されている曲は同じでも、もう少し洗練されたアルバムになっただろうが、こういう荒削りな部分があるというのも一つの魅力なのである。

後の彼らの活躍を考えたら、未完成という部分があるものの、一度は耳を傾けておいても損はしないアルバムである。(但し、『SPORTS』以降の完成度を期待するのは酷である。とにかく細かい所は目をつぶってください。)それにしても、こういうバンドが次々と出てくるのだから、当時の音楽シーンは本当に面白いものであった。これも「第二次ブリティッシュ・インベージョン」に対するアメリカの反骨精神が生んだものということで片付けられてしまうだろうが、それにしても層が厚いアメリカの音楽シーンである。


 

Picture This

Picture This

  • アーティスト: Huey Lewis and the News
  • 出版社/メーカー: Chrysalis
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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