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ERASURE『POP! - THE FIRST 20 HITS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1992年にリリースされたベスト盤であり、1985年のデヴューから1992年までに彼らが放ったヒット曲を中心に20曲が収録されている。彼らのサウンドは、いわゆるエレ・ポップであり、'80's前半に大きく伸びたエレ・ポップというジャンルを彼らは'80's後半に支える存在になったが、そんな'80's後半から'90's初頭のサウンドが集められた宝石箱のような一枚である。

まずは『Who Needs Love(Like That)』で幕が上がるが、とにかく楽しいサウンドである。やはり音楽とは「音を楽しむ」という文字の通り、楽しいのが一番であるが、こういうサウンドはとても親しみが持てると同時に、聴いていても楽しくなってきてくれるので、嬉しいものである。続く『Heavenly Action』はビートが利いたエレポップ、『Oh L'amour』は静かなコーラスで始まるイントロからノリの良いポップスとなるところが小気味よく、心地よいサウンドのエレポップ、続く『Sometimes』はミディアム・テンポながらもノリが良く、また、サックスの響きが心地よく伝わってくるナンバー、『It Doesn't Have To Be』はボーカルがパワフルに引っ張っているエレポップで、シンセのビートがスケール感たっぷりに響くのが印象的である。

続く『Victim Of Love』は楽しくなるメロディ・ラインのダンス系の一曲、『The Circus』はドラマティックな一曲で、ミディアム・テンポのメロディにオルガン風のビートとボーカルが上手く融け合ったスケールの大きな一曲、『Ship Of Fools』はメロディアスなミディアム・テンポの一曲、『Chains Of Love』はアップ・テンポなビートが利いた楽しいエレポップ、『A Little Respect』はスケールの大きいサウンドが特徴のテンポの良いナンバーで、なかなかパワフルな所があり、爽快な気分になることも出来る。曲は更に続き、『Stop!』はファンキーな要素のあるダンス・チューン、『Drama!』はメロディ・ラインが美しい所にテンポの良いビートが融合したダンス・チューンである。というように、ダンス系にシフトしてくるものの、エレポップとしたらとても気持ちが良いサウンドである。

20曲も収録されているので、曲はまだ続く。『You Surround Me』はややスローなテンポで、シンセサイザーの生み出す幻想的なサウンドを弾き出したナンバーで、ちょっと夢の世界にいるような気分にさせてくれる一曲、『Blue Savannah』はテンポの良いメロディアスなエレポップ、『Star』は透明感のあるメロディ・ラインであり、かつ、ビートの利いたサウンドで、ノリの良いエレポップ・チューン、『Chorus』はビートの利いたダンス・チューンで、シンセの効果音が雰囲気を盛り上げてくれる。

続く『Love To Hate You』はライブ収録であって、シンセのビートが響く楽しいサウンドのエレポップであるが、フェードアウトによって曲を終わらせるというのは止めてもらいたいところである。続く『Am I Right?』からはスタジオ収録に戻るが、この曲は静かな展開で進むナンバーで、「エレポップ」というよりは実験的な「テクノ」といった感じがする。続く『Breath Of Life』は、文字通りのエレポップで、テンポの良いダンス・チューンでもあり、元気を呼び起こしてくれる一曲でもある。

ラストを飾るのは、ABBAのカヴァーである『Take A Chance On Me』の登場である。ABBAは美しいハーモニーを聴かせていたが、彼らはシンセサイザーを巧みに使い、ABBAのサウンドをよりエレクトリック・ポップにアレンジしている。ということで、ABBAがハートフルなものであったが、彼らはちょっと機械的な感じを漂わせているが、曲自体が素晴らしいものなので、また違った味わいがして、こういうのも悪くはないと感じる。(でも、この後にABBAの歌う曲を聴きたくなるのも正直なところである。)いずれにしても「名曲はいつの時代でも名曲である」ということである。

これまでにもイギリス出身のエレポップ・グループはいくつか取り上げてきたが、本当にイギリスのサウンド・シーンは本当に次々と活きの良いグループが登場してくるものである。(彼らもイギリス出身のグループである。)しかも、音楽的に頂点を極める1985年を境として、'70'sから活躍していたグループや'80's初頭から活躍していた「エレポップ」の先駆者たちと世代が交代するかのように登場してくるのだから、イギリスの音楽シーンは面白い。本アルバムは、そんな第二世代となるエレポップの秀作が集まったベスト盤であり、'80's後半を語る上では欠かすことが出来ない存在である。また、ラストのABBAのヒット曲を聴くだけでも十分にその価値はある。ということで、聴きましょう。

POP! - 20 Hits

POP! - 20 Hits

  • アーティスト: Erasure
  • 出版社/メーカー: Sire
  • 発売日: 1992/11/24
  • メディア: CD


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コメント 1

blue

はじめてのカキコです。イレイジャーいいですよね。個人的には、Oh L'amourが大好きです。ただ、ステージは、ある意味、ドラッグクイーン的な演出で、少しだけ、引いてしまうのは私だけでしょうか・・。特に、MCがハードです。でも、機械的な音楽なのに、純粋さ、朴訥さを表現できるのは、すばらしいですよね。
by blue (2006-01-28 14:14) 

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