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IRIS DeMENT『INFAMOUS ANGEL』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1992年にリリースされたものであり、優しいカントリー・ナンバーを堪能できる一枚である。サウンドはとにかくシンプルであり、色々な楽器やシンセサイザーを使ったサウンドが大流行の時代の中で、アコースティック・ギターを中心としたシンプルな曲の数々は逆にとても新鮮に感じる。ということで、'90's初頭のカントリーの一大ブームの中で本アルバムのような「シンプルなサウンド」もまた味があるということを再認識させてくれる。と同時に、土の香りもする優しいアルバムである。

まずはテンポの良い『Let the Mystery Be』が最初に登場する。シンプルなサウンドで、どこかに'70'sのカントリーという雰囲気があり、アコースティック・ギターに乗せた優しい一曲である。続く『These Hills』は、ややスローなテンポの聴かせてくれるカントリー・ナンバーで、静かな中にも優しさのある一曲である。続く『Hotter Than Mojave in My Heart』はシンプルながらもテンポの良いカントリーで、それ故に小気味の良さを感じる一曲、続く『When Love Was Young』はボーカルを聴かせるという静かな一曲で、とにかくサウンドはシンプルそのものであって、だからこそ新鮮さを感じる一曲である。

続く『Our Town』は本アルバムに収録されている曲の中では豊かなメロディの一曲であるが、極普通のカントリー・ナンバー。優しく語りかけるようなボーカルが魅力的である。続く『Fifty Miles of Elbow Room』はJIM ROONEYが「ハーモニー・ボーカル」として加わっているテンポの良いカントリー・ナンバーである(「デュエット」ではなく、あくまでも「ハーモニー・ボーカル」として参加している)が、シンプルな曲が続く中では厚みのあるサウンドの一曲となる。続く『Infamous Angel』はオーソドックスなカントリー・ナンバーであるが、ハートフルな優しいボーカルを堪能できる一曲、続く『Sweet Forgiveness』は静かに、それでいて力強く優しく語りかけるボーカルが印象的なボーカルを聴かせるカントリーである。

シンプルなサウンドは更に続き、『After You're Gone』はアコースティック・ギターとピアノとボーカルという最低限の構成による子守歌のような優しいボーカル・ナンバーで、まさに「シンプル・イズ・ベスト」ということを感じさせてくれる一曲、続く『Mama's Opry』は前曲があまりにもシンプルな曲だっただけに、とても豊かなサウンドに感じられるカントリー・ナンバーである。(と言っても、普通のカントリーである。)優しく、それでいて力があり、伸びのあるボーカルが印象的な一曲である。ラストを飾る『Higher Ground』は彼女というよりも彼女とJIM ROONEY 、HAL KETCHUM、JEFF BLACKの4人によるコーラスを中心にした曲であり、ボーカルでも違う声が加わるだけでとても豊かな曲になるという、分かり切ったことを再度認識させてくれる優しい一曲である。

本アルバムは、派手さは全くなく、とにかく「シンプル」なサウンドで突き進んでいるが、こういうアルバムというのはとても貴重なものである。シンセサイザー全盛で、ごちゃごちゃとしたサウンドが蔓延する中、音楽の原点に立ち返っているということで、何処かに安らぎを感じるものとなる。常にこういうサウンドを聴いていたいとまではいかないが、ちょっとした時に接することで安らぎを受けることになる。コレクションの片隅に(砂漠の中のオアシスのように)加えておきたい一枚である。

 

Infamous Angel

Infamous Angel

  • アーティスト: Iris Dement
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1993/05/25
  • メディア: CD


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