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KIM WILD『THE REMIX COLLECTION』 [音楽(洋楽)]

今回は少し変わったアルバムをピックアップする。表題のアルバムは1993年(12月)に日本企画としてリリースされたものであり、彼女のこれまでのヒット曲のリミックス集である。この時期と言えば、翌1994年2月に彼女の初来日公演が行われることになっており、同年の10月には「シングル・コレクション」がリリースされる等、プロモ活動の一つとして色々とアルバムがリリースされたが、その流れの一つである。'90'sの初頭にはシングル曲をリミックスしたものというのは積極的にリリースされるようになっていたので、既に珍しいことではなくなっていたが、ベスト盤のリリースに続いてのリミックス盤の投じようというのはファンを喜ばせてくれた。(尚、本アルバムについて、時を感じることが一つある。それは価格についてであり、税抜き価格1942円、税込2000円となっている。→消費税の税率が「3%」です。今ならば税込2039円となるはずだが、間違いなく「廃盤」ですよね。)

まずは『If I Can't Have You(John Robinson Mix)』から。ダンス・ビートを利かせたアレンジで、ダンス系のノリノリの世界がスタートする。(この曲は11曲目に異なるREMIXの曲が収録されているので、聴き比べるのもまたよろしいかと。)続いては『Kids In America(The Maranza Mix)』であるが、ロック色が強かったこの曲が全く違ったアップ・テンポのダンス・ビートとなっていると、これも新鮮に感じるところである。つづくは『The Second Time(U.S. Remix)』で、一歩一歩歩を進めていくようなミディアム・テンポのエレ・ポップという感じにまとめられている。続く『Rage To Love(Extended Version)』はロカビリー調のサウンドをエレ・ポップで再現していて、ロック・ファンとしても嬉しいところである。(でも、「エレクトロ・ロカビリー」とは言わず、やはり「エレ・ポップ」というのが妥当でしょう。)

全米No.1ヒットの『You Keep Me Hangin' On(W.C.H. Mix)』は9分を越える大作としてアレンジされているが、ミディアム・テンポのダンス・チューンが心地よく、9分という時間を全く感じさせないのは立派である。続く『Another Step(Closer To You)(Extended Mix)』はサックスを活かしたダンス系寄りのロックのテイストを残したアレンジということで、映画「ロッキー4」の挿入歌であるSURVIVORの『Burning Heart』やROBERT TEPPERの『No Easy Way Out』を思い出させてくれる。(ちょっと大袈裟かも... (^^; )

続く『You Came(The Close Remix)』はエレ・ポップ色のダンス・ビートが炸裂するミディアム・テンポのナンバーとしてアレンジされているが、何処かにメロディアスなところが残されていて、なかなかいい雰囲気を醸し出している。続く『Never Trust A Stranger(Sanjazz Mix)』はバリバリのダンス・チューンとなっていて、実にテンポが良く、ビートが心地よく響いてくれる。こういうアレンジの曲が無いと「REMIX集」という気がしないというのもどうかと思うのだが、それでもやはり体が自然と動くことになり、何故か安心感も生まれてくることになる。

続く『Four Letter Word(Late Night Mix)』は「REMIX」というと信じられないようなイメージがするが、これも「REMIX」である。ややスローなテンポの美しいメロディのボーカル曲となっていて、優しく澄み渡ったKIMのボーカルが冴え渡っている。歌唱力、表現力が実に豊かであることを改めて認識することになる一曲でもある。続く『Love Is Holy(Ambient Mix)』はBELINDA CARLISLEのヒット曲のようなサウンドで、爽やかさに満ちたアレンジとなっていて、実に聴きやすいポップス・ナンバーである。(BELINDAの2nd.、3rd.アルバムから抜け出してきたような錯覚に陥ります。)

再び1曲目と同じ曲が登場し『If I Can't Have You(Extended Version)』(アレンジが違っているので別の曲と扱う。)となるが、こちらはポップス色が濃く反映されている。(でも、ダンス系寄りというところはありますが...)改めて1曲目と聴き比べるという楽しみ方をするも良し、たっぷり堪能しましょう。そしてラストを務めるのは『In My Life(West End 12" Remix)』で、ダンス・ビートである。(数あるREMIXでも「12"」という単語があれば、まず間違いなくダンス系のサウンドとなっている。→これはLPの時代の12"シングルの誕生から発展の歴史を思い出せば直ぐに理解できます。)が、その中にもポップス色が反映されていて、とても親しみの持てる曲となっている。

リミックスというと、何故かダンス系ビート・バリバリのサウンドになることが殆どであり、本アルバムの収録曲もこれに沿っているものの、一筋縄にはいかない曲があるのはKIMの意地といったところか、存在感をアピールしている。いずれの曲もがとても聴きやすいというのはいいものである。(ダンス系ビートのサウンドというのは、一部にはうんざりするものもある。)これはオリジナル曲の方に親しんでいるということもあるだろうが、オリジナル曲がいい曲ということと、彼女の豊かな歌唱力があるためでもある。KIMのサウンドを知っている方には今までとは違う新鮮な一面を知ることになり、そうではない方にはここから始めていって彼女のオリジナル・アルバムの方に進んでいってもらいたくなる。それにしても、ダンス系のサウンドでもアレンジ一つでその世界観が大きく変わるということを感じることにもなるリミックス・アルバムである。

 

愛の彷徨~リミックス・コレクション

愛の彷徨~リミックス・コレクション

  • アーティスト: キム・ワイルド
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 1993/12/16
  • メディア: CD

↓本アルバムのリリース直前にリリースされた「シングル・コレクション」はこちら

愛の彷徨~シングル・コレクション

愛の彷徨~シングル・コレクション

  • アーティスト: キム・ワイルド
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 1993/10/21
  • メディア: CD
↓数多くのベスト盤から以下もピックアップしておきます。
Kim Wilde Collection

Kim Wilde Collection

  • アーティスト: Kim Wilde
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2000/06/06
  • メディア: CD


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