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QUEEN『MADE IN HEAVEN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1995年にリリースされたアルバムであるが、QUEENと言えば何と言ってもフレディ・マーキュリーである。彼は1991年の11月に亡くなったが、本アルバムはその後にリリースされたというものである。というのは、手元には大量の未発表のデモ音源が残されており、それを完成させて発表したのが本アルバムである。ということなので、フレディのボーカルも当然のことながら収録されているQUEENのラストアルバムである。(前作「INNUENDO」が実質的なラストアルバムであることに変わりはない。)それにしても、残っていたデモ音源から、これだけ素晴らしいアルバムを完成させたというのは、流石はQUEENである。とにかく、アルバム全体を通しての纏まりがあり、とてもデモ音源から生み出したとは思えない内容である。収録されているのは2つのボーナス・トラックを含めて全13曲、約70分という壮大なドラマとして仕上がっている。本アルバムを聴かずしてQUEENを語ることは出来ないアルバムである。(尚、筆者はちょっとした拘りから、わざわざUK盤を探して入手した。)

まずは美しいピアノのサウンドが爽やかな爽快感を与えてくれる『It's A Beautiful Day』で幕が上がる。透明感があり、それでいてスケールが大きくパワフルなこの曲は、'70'sの彼らが残した名曲に通じるものがある。続く『Made In Heaven』はミディアム・テンポのロック・ナンバーであるが、ドラマティックでスケールの大きさを感じる一曲であり、フレディのボーカルが輝いているのと、ブライアンのギターがそのフレディに応えるかのような響きを聴かせてくれている。続く『Let Me Live』は彼らが発展させてきたオペラ・ロックという一曲であり、スケールの大きなサウンドと美しいハーモニーを堪能できる優しい一曲である。続く『Mother Love』はスローなテンポのロック・ナンバーであるが、迫力のあるボーカルとサウンドを聴かせてくれるナイス・チューンである。

続く『My Life Has Been Saved』は聴きやすいややスロー気味のミディアム・テンポのロック・チューンであるが、ここでもフレディのボーカルに応えるかのようなブライアンのギターが感涙もののサウンドを聴かせてくれる。続く『I Was Born To Love You』はフレディのソロ・アルバムに収録されている曲であり、「未発表」というものではないが、フレディの魂のボーカルが本当に心地よく響いていて、10年前(1985年)のものとは思えない新鮮さがある。続く『Heaven For Everyone』はミディアム・テンポの聴かせるボーカル・ナンバーであり、更に3人の美しいコーラスも堪能できる一曲である。続く『Too Much Love Will Kill You』はスローなテンポのバラード・ナンバーであるが、フレディの圧倒的な迫力のボーカルが優しさを与えてくれると共に、あまりにも美しいメロディ・ラインの前では「感動」という使い古された陳腐な言葉しか思い浮かんでこなくなってしまう。

続く『You Don't Fool Me』はポップのエッセンスの利いたリズミカルでテンポの良い一曲であり、爽やかさを与えてくれる一曲である。こういうポップなQUEENのサウンドというのも、もっと聴きたかった所である。続く『A Winter's Tale』はこれまでのロック・ナンバーとは異なり、バラード調の静かなボーカル・ナンバーである。が、じっくりと作り込んだスケールの大きな一曲であり、優しい一曲である。続く『It's A Beautiful Day (Reprise)』は1曲目の透明感のある曲が再登場と言うことになるが、トラック1とは違って、ロックのビートが唸るアレンジが行われていて、爽やかな一曲が圧倒的な迫力を持つ一曲として違う姿を見せている。

ここから先はボーナス・トラックということで、2曲収録されているが、曲名についてはジャケットにも歌詞カードにも記されていない。CDのDISCの曲情報として、2曲とも『Reprise』という曲名ということが分かる。が、最初の方は僅か4秒、後の方は22分半というものである。尚、前者はトラック11の締めの一言と言ってもいいものである。後者は途中で語りかける言葉が入っている部分があるが、延々と続く環境音楽という感じのするインスト・ナンバーである。でも、実にドラマティックな展開のある曲でもあり、一大叙事詩というものである。

QUEENと言えばフレディのボーカルであるが、本アルバムでは、ブライアンとロジャーもボーカルを取っていて、これは3人のコーラスとはまた違う姿を聴かせてくれることになり、最後の最後にファンに対して大きなプレゼントを与えてくれた。とにかく、彼らがリリースしたアルバムとしたら正真正銘の「ラスト・アルバム」ということで、本当にファンが喜ぶことをしてくれるQUEENであり、ここにはフレディの精神がしっかりと生きている。製作過程のことを考えたら「QUEENのラストアルバム」というのはやはり「INNUENDO」だということが言えるが、そういう論争は意味のないことだと感じさせるほど、あまりにも本アルバムのクオリティは高く、内容も素晴らしいものである。QUEENの、フレディの精神を忘れないためにも絶対に耳にしてもらいたいアルバムである。

 

Made in Heaven

Made in Heaven

  • アーティスト: Queen
  • 出版社/メーカー: Hollywood Records
  • 発売日: 1995/11/07
  • メディア: CD

↑US盤/UK盤↓

Made in Heaven

Made in Heaven

  • アーティスト: Queen
  • 出版社/メーカー: Unknown Label
  • メディア: CD

↓フレディをたっぷりと堪能するのであれば、こういうセットがあります。CDが10枚、DVDが2枚です。(但し、DVDのリージョンコードは日本と同じ「2」ですが、PAL向けとなっています。)

Freddie Mercury / Solo (10-CD & Two DVDs [Region 2 - PAL])

Freddie Mercury / Solo (10-CD & Two DVDs [Region 2 - PAL])

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Parlophone
  • 発売日: 2000/10/23
  • メディア: CD

↓3枚組CDの方がお手軽です。

Solo Collection

Solo Collection

  • アーティスト: Freddie Mercury
  • 出版社/メーカー: Hollywood
  • 発売日: 2000/12/05
  • メディア: CD


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