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U2『THE B-SIDES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1998年にリリースされたベスト盤である「THE BEST OF 1980-1990」の限定版2枚組のDISC2である。(このベスト盤についてはこちらで述べています。)で、その記事ではDISC1に収録されている曲について述べたが、限定版に付いているDISC2、すなわち表題のアルバムについては別の機会と言うことにした。で、アルファベットのローテーションがようやく「U」に回ってきたので、取り上げることにした。(DISC1のベスト盤については上記の記事の方をご覧下さい。)尚、こちらには全15曲(約1時間(=60分に数秒足りない))が収録されていて、これだけでも1枚のオリジナル・アルバムとしても十分通用するものである。(が、限定版の2枚組ベスト盤のセットとしてリリースしたものだから、安易にこれだけをリリースしてもらいたくない、というのが、これを所有している方の気持ちではないだろうか...)

「B-SIDES」と言うと、今でこそ「何のこと?」となるが、これはCD登場以前のアナログ・レコードの時代に遡ることになるが、レコードには「A面」と「B面」があり、特に「B面」と言うのはシングル・レコードのタイトル曲のカップリング曲のことを指している。つまり、シングルとしてリリースされたが、「A面」のタイトル曲の陰に隠れてしまっているというのが殆どである。が、当然のことながら良い曲も多く、中には「A面」のタイトル曲よりも評判が良くなり、「A/B面」が逆になってリリースし直されるという曲まである。決してシングルの「おまけ」ではない。で、本アルバムはU2のシングルの「B面」に収録された曲が集められている。ということで、これはファンにとっては嬉しいことである。こういう企画は、違った意味での異なる(隠れた曲の)ベスト盤という位置づけにもなり、新たな魅力的な曲とも接しやすくなる。ということで、こういう企画はもっと大々的に行ってもらいたい所である。

まずは『The Three Sunrises』という初期の彼ららしい一曲でスタートする。発表からかなりの時間が経過しているものの、全く輝きを失っていない魂のサウンドである。続く『Spanish Eyes』も彼ららしいビートの利いたロック・ナンバーで、小刻みでテンポの良い一曲である。続く『Sweetest Thing』はミディアム・テンポのボノのボーカルを前面に出したちょっとメロディアスな一曲である。続く『Love Comes Tumbling』はベースのサウンドが力強く全体を支えると共に、ちょっと幻想的なイメージのするサウンドが特徴のミディアム・テンポの聴きやすいややポップよりのロック・ナンバーである。また、綺麗なメロディ・ラインにあったコーラスも幻想的な魅力を醸し出していて、いい雰囲気になる一曲でもある。

続く『Bass Trap』は静かなインスト・ナンバーで、ストリングスのサウンドが美しく響く一曲、続く『Dancing Barefoot』は彼らの特有のビートが響くミディアム・テンポのロック・ナンバーであり、スケールの大きさを感じる力強いロック・スピリットが満ちた一曲である。続く『Everlasting Love』はギターを中心としたギター・サウンドが好きな方には嬉しくなるロック・ナンバーであり、ミディアム・テンポのリズムとボノのボーカルが融合して不思議な幻想的な世界を築き上げている一曲、続く『Unchained Melody』はあのライチャス・ブラザーズのヒット曲のカヴァーであり、スロー気味のテンポで進む中、彼ららしい展開のビートが響く一曲であり、原曲とは全く違う一曲として甦っている。こういう形で名曲が甦るというのも良いものである。やっぱり「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを感じさせてくれる。

続く『Walk To The Water』はスローなバラード調のメロディに乗せて、ボノが語りかけるかのように歌うボーカル・ナンバーとしてまとめられた聴かせる一曲であり、このような聴かせる曲というのも良いものである。続く『Luminous Time(Hold On To Love)』はスローなテンポの一曲であるが、ここではソウルフルなボノのボーカルが力強く曲を引っ張っていってくれるスロー・ロック・ナンバーとして仕上がっていて、彼らの懐の深さを感じさせてくれる一曲である。続く『Hallelujah Here She Comes』はソウルフルであり、ゴスペル調のボノのボーカルを堪能できるミディアム・テンポのビートが展開される一曲であり、そのテンポの良さが心地よく感じられるロック・ナンバーである。続く『Silver And Gold』は初期の彼らのビートが響くロック・ナンバーであり、彼ら特有のビートが炸裂するややスロー気味のロック・ナンバーであり、気持ちが良い一曲である。

続く『Endless Deep』は彼らの特有のビートが唸るインスト・ナンバーであり、心地よいテンポで進んでいく一曲。続く『A Room At The Heartbreak Hotel』はミディアム・テンポながらもスケールの大きなロック・チューンであり、終盤に向かって次第に雄大さが広がっていき、クライマックスではコーラスが大河ドラマのクライマックスを描くかのような纏まりを示してくれる一曲である。ラストの『Trash, Trampoline And The Party Girl』はアコースティック・ギターを前面に押し出したテンポの良い一曲であるが、メロディの方が心に日々着かける透明感を持っていると言うこともあり、もの凄くハートフルな優しさを感じることの出来る一曲である。

このアルバムは、あくまでも彼らのベスト盤の特典として付いているものであり、単独ではリリースされていない。とは言っても、彼らのリリースしたシングルを全て入手すれば、ここに収録されている曲は全て手に入ることになる。(コレクターであれば、それぐらいのことはしている...?)ファンとしたら、これだけでも単売して欲しいと思うだろうが、そうやって安易にリリースしてもらいたくないアイテムである。本当に聴きたいのであれば、限定版の2枚組のベスト盤を入手するようにしましょう。(中古店を回っていれば、ご対面できるかもしれませんよ)そうやって苦労して探して入手できた時の感激というのも、またとても良いものですよ。また、本アルバム(DISC)は、それだけ苦労しても入手するだけの価値のある魂のロック・サウンドが詰まった一枚である。

 

↓2枚組で、これのDISC2が今回ピックアップしたアルバムです。

The Best of 1980-1990/The B-Sides

The Best of 1980-1990/The B-Sides

  • アーティスト: U2
  • 出版社/メーカー: Island
  • 発売日: 1998/11/03
  • メディア: CD

↓同じベスト盤の通常版。(DISCは1枚)全く同じなので、探す場合は注意しましょう。

The Best of 1980-1990

The Best of 1980-1990

  • アーティスト: U2
  • 出版社/メーカー: Island
  • 発売日: 1998/11/10
  • メディア: CD


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