VINCE GILL『THE BEST OF VINCE GILL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年にリリースされた彼のベスト盤である。彼はカントリー畑のボーカリストであり、アメリカの大地の香りがする曲を奏でてくれるアーティストである。記録に残るような派手な大ヒット曲はないものの、ハートのあるサウンドを常に奏でていて、優しさを感じる彼の曲は心を洗ってくれるサウンドであり、じっくりと聴き込むことの出来るアーティストである。ただ、本アルバムは「ベスト盤」であるが、収録時間は35分半を越えた所であり、「収録時間が短い」というカントリー系のアルバムに従っている。こういう所は殻を打ち破ってもらいたいところなんですが...
まずは『Turn Me Loose』というテンポの良い軽いロック・ナンバーで幕が上がる。典型的なカントリー・ロックであり、とても聴きやすい一曲と言うこともあって、良い感じで本アルバムに接していくことが出来る様になる。続くはゆっくりとしたボーカル・ナンバーである『Oh Carolina』でじっくりと聴かせてくれる。優しいメロディアスな曲は心に安らぎを与えてくれる。続く『Victim of Life's Circumstances』はアップ・テンポのロック調の一曲であるが、曲の方はシンプルな構成であることから、アメリカの片田舎における楽しいパーティの雰囲気を出していて、聴いていて楽しくなる一曲である。続く『Lucy Dee』もテンポのいいカントリー・ロック・ナンバーであり、心地良い一曲である。
続くはテンポの良いカントリー・ナンバーの『Oklahoma Borderline』がリズミカルに届いてくる。「オクラホマ」という地名からも得られるが、広大な大地と自然のテイストに満ちた優しい一曲である。続く『Cinderella』はミディアム・テンポのポップよりのボーカル・ナンバーであり、ハートフルな彼のボーカルがアコースティック・ギターのサウンドと融け合って心を洗ってくれる。爽やかでとても聴きやすい一曲である。続く『Let's Do Something』はミディアム・テンポの軽いロックのリズムに乗せた優しいボーカル・ナンバーであるが、シンプルな構成のメロディが次第にスケールアップしていくところは聴き応えがある。
続く『Radio』はシンプルな構成のボーカル・ナンバーであり、ハートフルでとても優しいカントリー・ナンバーであるが、AOR系の血が流れている聴きやすい一曲でもある。続く『I've Been Hearing Things About You』はスローなテンポの典型的なカントリーのボーカル・ナンバーであり、前曲から一段テンポが遅くなり、じっくりと聴かせてくれる一曲として、良い雰囲気を醸し出す優しい一曲となっている。ラストの『I Never Knew Lonely』は、更にスローなテンポとなり、バラード調のボーカル・ナンバーとなり、アコースティック系のサウンドに乗せてハートフルに優しく包み込んでくれる彼のボーカルが魅力的な聴かせる一曲である。尚、ラスト3曲の構成は本ベスト盤の聴き所の一つでもある。
彼の曲には派手な曲はないが、いずれの曲もが優しさに満ちたとてもハートフルなナンバーであり、心を癒してくれるものである。また、彼のボーカルは心のオアシスとなってくれるものである。常に耳にしている音楽にするにはどうかと思うが、ふとした時に耳にすることで心が癒されるサウンドであるので、手元のライブラリーには加えておきたい一枚である。また、ボーカル・アルバムとしても纏まりがあるので、耳にしてもらいたいベスト盤でもある。更には、ここからカントリーの世界に足を踏み入れていく、というのもよろしいかと...
※本記事の投稿日時がメンテ中の時刻になっているのは、本件はミラー版に先にUPし、その時刻に合わせたためです。
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