SSブログ

BEVERLY HILLS COP(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の映画は1984年の大ヒット映画であるが、このサントラ盤は、今では当たり前になったオールスターによるオムニバス形式のサントラ盤を完全に定着させることにもなったサントラ盤である。本作よりも少し前に「FOOTLOOSE」と「FLASHDANCE」が大ヒットを記録して豪華アーティストたちが集ったサントラが大ヒットし、それに次ぐ形で本作がヒットして、1985年のBillboard年間アルバム・チャートで7位にランクインし、レギュラー・チャートでも2週間1位に輝いている。(尚、「FOOTLOOSE」は1984年・年間9位、「FLASHDANCE」は1984年・年間32位、レギュラー・チャートではいずれも1位を獲得している。)ということで、サントラとして考えたら、本アルバムは音楽シーンに残る一枚と言うことになる。また、参加しているアーティストたちの顔ぶれを見ると、'80's前半のオムニバス盤としても十分通用する一枚であり、サントラ盤を変えることになった一枚であると言うことも改めて知ることが出来る。それぞれのアーティストの曲をたっぷりと堪能したいというのであれば、それぞれのアーティストのアルバムを選択すればいいが、'80's前半という時代を知るには、こういうアルバムの方が手っ取り早く、しかもポイントは抑えられているので、お奨めである。

映画の方は、マーティン・ブレスト監督、主演はエディ・マーフィで、その他の出演者はリサ・アイルバッハ、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、ロニー・コックス、スティーヴン・バーコフという名前が挙げられる。デトロイト市警のアクセル刑事がロサンゼルスで巻き起こす騒動を描いたコメディ・タッチの刑事ドラマである。幼なじみが殺されたことからロスで捜査を始める黒人刑事アクセルの活躍を描いた娯楽作品である。

まずはリズミカルでテンポの良いダンス系のポップナンバーである『New Attitude』(PATTI LaBELLE)で幕が上がる。が、これを歌っているのがPATTIE LaBELLEというのもちょっと驚きであるのだが、パワフルでエネルギッシュなボーカルを披露してくれるところは流石である。続く『Don't Get Stopped in Beverly Hills』(SHALAMAR)はエレクトロ・ビートが炸裂するテンポの良いポップス・ナンバーでありダンス系のリズミカルな一曲でもある。続く『Do You Really (Want My Love?)』(JUNIOR)はダンサブルなブラコンであり、とてもリズミカルでテンポの良い一曲である。続く『Emergency』(ROCKIE ROBBINS)はミディアム・テンポのエレクトリック・ロック・ナンバーであり、雰囲気としてはファンキーな要素を少し抑えたPRINCEといった感じのものである。ビートの方はご機嫌に響き、ダンサブルな一曲でもある。

続く『Neutron Dance』(POINTER SISTERS)はテンポの良いダンス・チューンであり、ノリが良い一曲である。また、それでいて綺麗なコーラスを聴かせてくれる一曲でもある。続く『Heat Is On』(GLENN FREY)は本作のメイン主題歌ということもあって至る所で耳にすることになり大ヒット(1985年のBillboard年間シングル・チャートでは19位、レギュラー・チャートでは最高位2位を記録)した。テンポの良いリズムに乗った軽快なロック・ナンバーであって、サックスのサウンドが印象的な一曲でもある。続く『Gratitude』(DANNY ELFMAN)はミディアム・テンポのロック・チューンであるが、パワフルに、そしてエネルギッシュなギター・サウンドを間奏の所で聴かせてくれる一曲である。それでいて、フルートのサウンドが優しさを感じさせるものとなっていて、'80's前半のサウンドという一曲である。

続く『Stir It Up』(PATTI LaBELLE)はパワフルで力強いボーカルを堪能できるアップテンポなボーカル・ナンバーであり、こういう歌い方が出来るPATTIは流石である。明るく楽しい'80'sポップスという一曲である。続く『Rock & Roll Me Again』(THE SYSTEM)はエレクトロ・ビートの利いたミディアム・テンポのポップス寄りのロック・ナンバーであり、本作発表の時点では「エレ・ポップ」と言う言葉が出始めていたことから、それに属する一曲と言ってもいいだろう。(つまり「エレ・ポップ」と言う言葉が出始めた頃の初期のエレ・ポップと言うことが出来る。)ラストの『Axel F』(HAROLD FALTERMEYER)はアクセルのテーマ曲であり、シンセサイザーを巧みに使ったミディアム・テンポのインスト・ナンバーである。この曲も色んな場所で流れたこともあり、イントロのメロディを耳にすれば、「あっ、あれだ!」とお分かり頂ける一曲であろう。尚、本サントラ盤の最後に、こういうインスト・ナンバーが収録されているということで、100%オムニバスという印象を払拭しているところがこの時期のサントラ盤らしい所でもある。

本作映画の方もとても楽しいものであり、大ヒットしたことから続編が作られることになったが、この映画のヒットにはサントラ盤に集結したアーティスト達の力というのも忘れられないものである。現在ではミュージック・シーンとの連携は当たり前の事となっているが、当時はMTVが登場してから間もないこともあり、映画メディアによる音楽と映像の融合と言うことが一気に進んだ時代でもあった。それによって「オムニバス」的なサントラ盤が市民権を得たことになったが、そういうサントラ盤の歴史を振り返ると、本サントラ盤は外せない一枚である。'80'sのオムニバス盤として、'80'sサウンドに興味がある方は聴いてもらいたい一枚である。(で、映画の方も見ましょう。)

 

Beverly Hills Cop: Music From The Motion Picture Soundtrack

Beverly Hills Cop: Music From The Motion Picture Soundtrack

  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

↓映画DVDはこちらです。
ビバリーヒルズ・コップ スペシャル・コレクターズ・エディション

ビバリーヒルズ・コップ スペシャル・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/21
  • メディア: DVD

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。