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ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA『OUT OF THE BLUE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1977年に発表されたものであり、当時は2枚組の対策としてリリースされたものである。(CDは1枚ものとなっている。)スケールの大きなサウンドに磨きがかかり、しかもテンポが良く、キャッチーなメロディはとても親しみやすい。'80'sには彼らのような聴きやすいポップなサウンドが氾濫することになるが、そのサウンドを'70'sの間に完全に確立させた功績は大きい。しかも、本アルバムが発表された頃は、世界的なディスコ・サウンドのブームが吹き荒れていたが、そういう流行りのサウンドに左右されなかったということは意義がある。ということで、多くの支持を受けた本アルバムは2枚組にもかかわらず、Billboardのレギュラー・チャートでは最高位4位まで上昇し、また1978年の年間アルバム・チャートでも18位に食い込むという大ヒットを記録している。

まずは『Turn To Stone』でスタートするが、いきなりスケールの大きなサウンドが響いてくると言うことで、ELOの世界に引き込まれるかのようにワープする。彼らが確立させたシンセサイザーを巧みに使った新しいサウンドはまさに衝撃的であり、その衝撃の出会いがここにある。続いては『It's Over』が、やはりスケール感豊かに届けられる。とにかく、スケールの大きなサウンドというのも彼らの特徴である。更にはライト・ロックという感じの『Sweet Talkin' Woman』は親しみやすく、とても聴きやすい一曲である。

続く『Across The Border』はリズミカルであり、それでいてキャッチーなメロディ・ラインといい、爽やかな一曲でもあり、とても聴きやすいものである。この後もサウンドとしてはキャッチーで親しみやすい路線が続き、『Night in The City』から『Starlight』、更には『Jungle』はコーラスが印象的に残り、『Believe Me Now』から『Steppin' Out』という所までは一気に聴かせてくれる。

更に、この後がまた圧巻のサウンドが登場し、『Standin' In The Rain』からは壮大なスケールのドラマが展開されることになる。この辺りは'70'sに数多く登場したコンセプト・アルバムの様相を呈することになり、『Big Wheels』『Summer And Lightning』と続く。更に、とても聴きやすい『Mr. Blue Sky』や、綺麗なメロディの名曲『Sweet Is The Night』が続き、コーラスの綺麗な『Whale』がコントラスト感を演出してくれていて、これがいい味のドラマを盛り上げてくれる。更に『Birmingham Blues』からラストの『Wild West Hero』まで、計算され尽くしたキャッチーなメロディが続き、たっぷりと聴かせてくれる。

'80'sサウンドを耳にした今では、取り立てて珍しくないサウンドであるが、世の中は'70's終盤の世界的ディスコ・ブームに呑み込まれていく中で、時代を先取りするサウンドを完成させることになった本アルバムは、紛れもなくELOの代表作である。しかも、親しみやすいメロディ、スケールの大きなサウンド、テンポの良い明るいポップスは、まさに'80'sサウンドの基礎となるものである。'80'sポップを親しむ方であれば、すんなりと受け入れられる優しいサウンドのアルバムである。それにしても、LPでは2枚組だった本アルバムが1枚のCDに収録されているということで、レコード盤を取っ替え引っ替えすることなく、全編を通して聴くことが出来るというのもいいものですね。(本アルバムは、全曲を一気に続けて聴きたいものである。)

 

Out of the Blue

Out of the Blue

  • アーティスト: Electric Light Orchestra
  • 出版社/メーカー: Jet
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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