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DIANA ROSS『THE BOSS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表されたアルバムであり、当時は世界的なディスコ・サウンドの一大ブームの真っ直中ということもあって、ディスコ・サウンドに傾いているアルバムでもある。(が、アルバム全体がディスコにはなっておらず、得意のボーカル・ナンバーもしっかりと聴かせてくれていて、流行りに流されていないという所もしっかりと示している。)本アルバムは1979年のBillboard年間アルバム・チャートでは85位、レギュラー・チャートでは最高位14位を記録している。'70'sの彼女はソロ・シンガーとしての道を歩んできたが、本作の次(1980年)に発表する「DIANA」と共に、ソロ・シンガーとしての一つの区切りの様なアルバムでもある。

収録されているのは以下の全8曲である。『No One Gets The Prize』『I Ain't Been Licked』『All For One』『The Boss』『Once In The Morning』『It's My House』『Sparkle』『I'm In The World』。この中からは『The Boss』『It's My House』がシングル・カットされたが、いずれの曲も年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。(前者はレギュラー・チャートで最高位19位を記録しているが、後者は...)で、アルバム・タイトル・ナンバーでもある前者は、当時のディスコ・ブームを受けてのディスコ・ナンバーであり、小気味の良いテンポで聴かせてくれるエネルギッシュな一曲である。この曲以外では、やはりバラード系の『Sparkle』『I'm In The World』の2曲をお薦めということにしたい。何せ、ディスコ・サウンド全盛の時期に、一部はそのディスコ・サウンドに傾いている本アルバムの中で、彼女らしいスケールの大きなボーカルを聴かせてくれていて、流行には完全に染まっていないという自分を出してくれているためである。(が、この辺りがチャートでTOP 10に入れなかった伸び悩みの一因にもなっている。)尚、LPではサイドが変わると言うことで続けて聴くことが出来なかった『The Boss』と『Once In The Morning』であるが、CDになるとこれを続けて聴くことが出来る。この2曲は時代の流行りを受け止めたディスコ・サウンドの曲であるが、続けて聴くと、「楽しく聴かせてくれる」という要素がLPよりも強く感じることになり、これはこれでCDになったことで受けられる一つの恩恵である。(CD化されて連続して聴くことが出来るようになったが、中には余韻を殺してしまうことになり、逆効果というアルバムも多数ありますが、本アルバムでは良い方になります。)

'60'sはSUPREMESの一員として華々しく活躍していた彼女であるが、'70'sはソロ・シンガーとしてそれなりの活躍はしていたものの、どこか物足りなさがあったが、本アルバムは浮上のきっかけにもなり、次作「DIANA」の大ヒット、更にはLIONEL RICHIEとのデュエットで9週間も全米No.1の座にいた『Endless Love』を放つことになる彼女であるだけに、彼女を語る上でも本アルバムの存在は欠かすことが出来ないものである。また、本アルバムでは「ディスコ・サウンド」という時代の流行りもそれなりに消化しているということもあり、決して孤高の人にはなっていない。彼女の魅力をじっくりと堪能してもらいたいアルバムである。

 

The Boss

The Boss

  • アーティスト: Diana Ross
  • 出版社/メーカー: Motown
  • 発売日: 1999/05/18
  • メディア: CD


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