「007/DIAMONDS ARE FOREVER」 [映画(洋画)]
007シリーズ第21作「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は初代ボンドが復帰し、スペクターとの戦いに決着が付くシリーズ第7作の「ダイヤモンドは永遠に」です。
尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。
「DIAMONDS ARE FOREVER」これは1971年に製作されたシリーズ第7作であるが、フレミングの原作小説は1956年に第4作として書かれたものである。本作は、前作「女王陛下の007」から続く形で物語として始まるが、原作小説の世界ではこちらの方が先に執筆されたものであり、当然のことながら連続したものではない。(こういう所はそれぞれを読んでみてください。)
監督は「ゴールドフィンガー」以来のガイ・ハミルトンが戻ってきて、脚本はリチャード・メイバウムとトム・マンキーウィッツ、ボンドは初代のショーン・コネリーが巨額の出演料で、本作だけということで復帰し、6本目のボンドとなる。ボンドガールのティファニー・ケース(ティファニーで生まれたからこの名が付いたという設定ですが、遊び心があります。→こういう遊び心は「ケータイ刑事」シリーズが受け継いでいます。)にはジル・セント・ジョン(当時の彼女は、時の大統領補佐官・キッシンジャーの愛人と言われていたが、これにはちょっと面白いエピソードがあります。映画ではティファニーはボンドとの情事で終わりますが、原作小説ではボンドと同棲した後、政府高官と結婚します。それを演じる彼女は政府高官の愛人というのは、現実・小説・映画の3つの世界が入り乱れています。)、スペクターのボス・ブロフェルドにはチャールズ・グレイが3代目ブロフェルドとして登場する。また、ナタリー・ウッドの妹であるラナ・ウッドやジミー・ディーンが加わり、M、Q、マネーペニーはお馴染みのバーナード・リー、デズモンド・リュウェリン、ロイス・マックスウェルが顔を揃える。主題歌を歌うのは、「ゴールドフィンガー」以来二度目のお務めとなるシャーリー・バッシーが映画タイトルと同名曲をパワフルに熱唱している。
本作の見所は、車のチェイスとラストの石油採掘プラントでの決戦ということになる。特に前者の方は、ラスベガスの街でのチェイス(ここに出てくる片輪走行は後の各種乗物の曲乗りに繋がることになる。)や月面車(場所は砂漠ですが...)のチェイスということで、それぞれ派手なチェイスを見せていて、次作以降は秘密兵器と共により派手で大がかりなものに発展していくことになる。
物語は、妻・トレーシー(テレサ)を殺されたボンドが復讐のためにブロフェルドを執拗に追い続け、妻の敵を取る。(が、それは替え玉だった。)で、新たな任務に就くボンド。その任務とは、アメリカに大量のダイヤモンドが密輸されていて、そのまま消えてしまったというものだった。調査を進める内にボンドは、事件の背後にブロフェルドの野望を掴む。それは人工衛星にダイヤを利用したレーザー光線兵器を搭載し、地上の都市を攻撃することで世界征服を果たすというものであった。
私的な恨みから始まるストーリーですが、このシリーズの持つ大きなスケールの物語となるのは当然です。が、冒頭の部分だけはコネリーではなくレイゼンビーにボンドを演じてもらった方が良かったと筆者は思います。
次作「死ぬのは奴らだ」からは、3代目となるロジャー・ムーアにボンドがバトンタッチされますが、スペクターとの戦いに決着が付いたことで、物語の方は派手な秘密兵器を使った娯楽アクション作品へと重きが置かれるようになっていきます。ということで、本作「ダイヤモンドは永遠に」は一つの時代の終焉を飾る作品でもありました。
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