NEIL DIAMOND『THE JAZZ SINGER』(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題のアルバムは1980年に発表されたものであり、同年に製作された映画「ジャズ・シンガー」のサントラ盤を兼ねている。最近はこういう形のサントラ盤は殆ど無くなったが、特定アーティストのオリジナル・アルバムがサントラ盤となっているというのは、本アルバムが発表された当時までは良くあったことである。('80'sになって、豪華アーティストたちが集結するオムニバス盤といった形のサントラ盤が出てくると、それが大ヒットして一気に主流になり、逆転することになりました。)で、当時としては良くあったサントラ盤でもある本アルバム(サントラ盤)は大ヒットを記録して、1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは14位、レギュラー・チャートでは最高位3位を記録している。また、この中から全米TOP 10入りをするヒット曲が3曲生まれている。(『America』『Love on the Rocks』『Hello Again』)尚、映画、アルバムに「JAZZ」と入っているから、本アルバムのサウンドは一般的なJAZZをイメージされるかも知れないが、収録されているサウンドはそうではなく、伝統的な音楽に対して、それに反する音楽の総称で「JAZZ」という単語が用いられている。
尚、映画「ジャズ・シンガー」は1980年の作品で、監督はリチャード・フライシャー、主演はニール・ダイアモンドで、共演者はローレンス・オリヴィエ、ルーシー・アーナズ、カトリン・アダムス、フランクリン・アジェイといった名前が挙げられる。物語は、厳格なユダヤ教の父の反対を押し切って歌手になった青年が、歌手として成功するまでの物語であり、1927年に、トーキー映画として最初に製作された同名映画のリメイクである。(1927年版は、アラン・クロスランド監督で、主演はアル・ジョンソン。「お楽しみはこれからだ!」という映画史上初の台詞はあまりにも有名である。)
収録されているのは以下の全14曲である。『America』『Adon Olom』『You Baby』『Love On The Rocks』『Amazed And Confused』『On The Robert E. Lee』『Summerlove』『Hello Again』『Acapulco』『Hey Louise』『Songs Of Life』『Jerusalem』『Kol Nidre/My Name Is Yussel』『America (Reprise)』。
この中からシングル・ヒットを記録した3曲は『America』(1981年のBillboard年間シングル・チャート62位、レギュラー・チャートの最高位8位)、『Love on the Rocks』(1981年のBillboard年間シングル・チャート26位、レギュラー・チャートの最高位2位)、『Hello Again』(1981年のBillboard年間シングル・チャート70位、レギュラー・チャートの最高位6位)であり、いずれもが全米TOP 10内にランクインするヒットとなっている。
筆者のお薦め曲は、『Love on the Rocks』『On The Robert E. Lee』『Summerlove』という所をピックアップしておく。彼独特の落ち着いた大人のボーカルを堪能できる曲である。また、映画の主題歌である『America』とアルバムのラストを飾る『America (Reprise)』は余韻を残す形になり、アルバムを通して聴くと、とてもいい雰囲気を味わうことが出来る。
本アルバムは映画のサントラ盤でもあるので、本アルバムに耳を傾けたら、映画の方も鑑賞していただきたい所である。(1927年の映画のオリジナルの方は、映画ファンであれば、最初のトーキー作品ということでもあるので、こちらも会わせてチェックされるといいでしょうね。)
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ジャズ・シンガー【字幕版】(淀川長治 名作映画ベスト&ベスト)
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィー・シー
- 発売日: 1998/12/10
- メディア: ビデオ
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