SSブログ

STYX『PARADISE THEATER』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたアルバムである。本アルバムはコンセプト・アルバムであり、アメリカ・シカゴに実在したParadiseという名前のシアターを舞台に、その栄枯盛衰をストーリーにして展開されている。元々、プログレをやろうとしていた彼らであるが、ポップな要素を加えて実現した傑作である。で、本アルバムは大ヒットを記録し、Billboardにおいて、通算3週に渡ってNo.1を獲得している。(2週連続1位の後、一旦その座を明け渡し、再び1週間1位に返り咲いた。)1981年のBillbpard年間アルバム・チャートでも6位にランクインしている。

収録されているのは以下の全11曲である。『A.D. 1928』『Rockin' The Paradise』『Too Much Time On My Hands』『Nothing Ever Goes As Planned』『The Best Of Times』『Lonely People』『She Cares』『Snowblind』『Half-Penny, Two-Penny』『A.D. 1958』『State Street Sadie』。

この中からは、『The Best Of Times』がBillboardの1981年の年間シングル・チャートで30位、レギュラー・チャートで最高位3位を記録し、『Too Much Time On My Hands』も同年の年間シングル・チャートで54位、レギュラー・チャートで最高位9位を記録すると言うように、全米TOP 10入りを記録する曲が2曲生まれいてる。特に前者はメロディアスなメロディに綺麗なコーラスが聴き所の秀作である。が、本アルバムは、シングル・ヒットが出ているからと言って、その曲を聴くのではなく、アルバム全体を1つの作品として聴くべきである。(よって、お薦め曲というのは記さない。)オープニングの『A.D. 1928』がこれから始まる物語の導入として静かに始まるが、これは一つの舞台劇の幕開けである。LPでは『The Best Of Times』までが第一幕となり、サイド・チェンジのために一息入ることになった(こういうアルバムでは、こういった小休止もまた良いものであるが...)が、CDではその小休止が無く、全一幕という形となっているのはまた嬉しいところである。

そして『A.D. 1958』から『State Street Sadie』へと続くエンディングは、余韻を残した形で全体のストーリーを締めてくれるていて、本アルバムに重みを与えてくれている。(CDだと、再び頭に戻ってもう一度味わいたくなる。)

本アルバムでは、全体の物語に沿って、ハードなロック・ナンバーからミディアム・テンポの聴かせる曲、メロディアスなメロディ・ラインを持った曲が散りばめられていて、これが動と静というコントラスト表現となって、ストーリーをより深いものにしてくれている。まさに、彼らの最高傑作といって良いアルバムである。

本アルバムが発表された時期と言えば、PINK FLOYDの「THE WALL」の大ヒットということもあり、プログレが(最後の)雄叫びを上げていた時期でもある。(この後、プログレはほぼ絶滅してしまうことになる。)最初はプログレを目指していた彼らがこの時期に、プログレとは言い難い(プログレ風のロック・オペラと言っても良いが、オーケストラ調を感じる本アルバムにはプログレの血が確かに流れている。)ものの、コンセプト・アルバムを発表した所に、面白さを感じることも出来る。(この後、彼らは「KILROY WAS HERE」という新たなコンセプト・アルバムを発表するが、こちらはロック・オペラと言った様なものであり、プログレの血が流れているとは言い難いですし...)

コンセプト・アルバムは苦手だという方もいらっしゃるようだが、本アルバムは聴きやすいロック・サウンドでもあるので、一度は聴いて欲しいアルバムである。

 

Paradise Theater

Paradise Theater

  • アーティスト: Styx
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

鉄板少女アカネ!!#1STRAY CATS『BUILT FOR.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。