SALENA JONES『MY LOVE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年にリリースされたアルバムである。本アルバムの注目点は、何と言ってもP. McCARTNEY & THE WINGSの『My Love』をカヴァーしていて、しかもそれをアルバム・タイトルにまでしているということである。また、STUFFとの共演と言うことも話題を呼んだアルバムである。彼女のボーカルの方は何も言わなくても素晴らしいものであるが、本当に良い声をしている。しかもいつもとは違うジャンルの曲を歌ってもソウルフルに歌い上げていて、原曲が全く違う新たな魅力を得ることになっている。やはり歌唱力があると言うことはそれだけで幅が広がると言うことがよく分かるアルバムである。
収録されているのは以下の全8曲である。『Everyday』『My Love』『Best Thing That Ever Happened To Me』『Teach Me Tonight』『Help Me Make It Through The Night』『Loving Arms』『I Don't Want To Be Alone Tonight』『Lately』。
この中では、やはり『My Love』が注目曲である。が、原曲を知らない方が聴けば、ジャジーな曲として完全に認識してしまうだろう。それほど彼女が歌うこの曲は原曲を全く別の曲に生まれ変えているのである。逆に原曲を知っている方は、あの曲がこんな風になってしまうのか、と驚きがあるだろうが、ジャジーな彼女のボーカルを耳にすると、原曲が如何に素晴らしい曲であったということを改めて知ることになる。「名曲はいつの時代でも名曲である」が、「名曲は姿(=アレンジ)を変えても名曲である」ということを教えてくれている。
その他の曲においても彼女のボーカルはジャジーであり、ソウルフルであり、たっぷりと利かせてくれている。筆者のお薦め曲ということで『Teach Me Tonight』『Loving Arms』『I Don't Want To Be Alone Tonight』といった所を『My Love』と共にピックアップしておくことにする。
本アルバムは、STUFFの演奏もさることながら、SALENAのボーカルをじっくりと聴き込むための大人のアルバムである。が、PAULの曲をカヴァーしているということで、ポピュラー音楽がお好きな方がジャズ・ボーカルの世界に足を踏み入れていく入口にもなることも出来るアルバムでもある。ということで、ジャズ・ボーカルの世界に浸ってみるのもまた一興ですよ。
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