THIRTYEIGHT SPECIAL『TOUR DE FORCE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼らの6th.アルバムである。彼らはサザン・ロックの雄として'70's後半にデヴューすると、広大な大地の香りを漂わせるスケールの大きなサウンドを聴かせてきたが、本アルバムは前作「SPECIAL FORCE」のヒットを受けて、ツイン・ギターとツイン・ドラムという彼らのスタイルをしっかりと継承し、キャッチーなメロディと共にサザン・ロックの良さを味あわせてくれるアルバムとして発表したものである。また、この年に発表されたアルバムは実にクオリティが高いアルバムが多いが、そのようにサウンドの点では実にクオリティが高いアルバムでもある。前作「SPECIAL FORCE」と共に彼らの代表作である。また、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートでも、レギュラー・チャートでは最高位22位、1984年の年間アルバム・チャートでは48位にランクインするヒットを記録している。
収録されているのは以下の全9曲である。『If I'd Been The One』『Back Where You Belong』『One Time For Old Times』『See Me In Your Eyes』『Twentieth Century Fox』『Long Distance Affair』『I Outta Let You Go』『One Of The Lonely Ones』『Undercover Lover』。
彼らのサウンドはツイン・ドラムということで、奏でるサウンドには厚みがあり、迫力のあるサウンドを展開するが、本アルバムでもそのサウンドは健在である。ややポップなところが加わったが、それがキャッチーなメロディへと繋がり、それが心地良さを与えてくれる。この中からは『If I'd Been The One』『Long Distance Affair』『I Outta Let You Go』『Undercover Lover』といった曲をお薦め曲としてピックアップしておくが、広大なアメリカの大地を感じさせるそのサウンドをツイン・ドラムが巧みに生み出している。
アメリカではウエスト・コーストとイースト・コーストが何と言っても特徴あるサウンドで音楽界をリードしているが、サザン・ロック(サザン系)はそれらの都会的なセンスではなく、自然と融け合ったサウンドがあり、これがまた独特の雰囲気を醸し出している。'70'sの時代ではいくつかのバンドがサザンをリードしていたが、'80'sになってサザン・ロックも元気が無くなっていたが、彼らはZZ TOPと共に'80'sのサザンを引っ張っていく存在になった。こういうサウンドもあると言うことで、聴いてもらいたいアルバムである。
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