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TACO『PUTTIN' ON THE RITZ』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムをベースにして、ボーナス・トラックの追加によってベスト盤扱いとされているアルバムである。アルバム・タイトル・ナンバーである『Puttin' On The Ritz』の大ヒットと共に脚光を浴びることになった彼であるが、そのインパクトのある名前から、'80'sの一発屋ということで、印象あるその名前で覚えられている。(が、その後も音楽活動はしています。)→名前というのも大事なものであるが、考えてみたら彼の名前は確かにインパクトはありました。(「何だらかんだらホニャララ」という長い名前だったら、まずは誰も覚えていないでしょうし... が、彼の名前は「凧」でもないし「蛸」でもなく、たまたま発音がこれと一致するだけです。こう言うのも外国語の(単語の)おもしろい所である。)本アルバムのサウンドは、'80'sサウンドの主流を行くものではないが、'80's前半では、'70's終盤から続く新たなサウンドがこれでもかというように生まれてきて百花繚乱状態となるが、そんな時代を象徴するサウンドでもある。また、この当時はシンセサイザーの使い方も色々なアプローチがあって、とてもおもしろいものとなっている。

収録されているのは以下の全14曲である。『Puttin' On The Ritz』『La Vie En Rose』『Cheek To Cheek』『After Eight』『Over The Rainbow』『Winchester Cathedral』『Chambre Separee』『Singin' In The Rain』『Living In My Dreamworld』『You Are My Lucky Star』『Let's Face The Music And Dance』『Taco's Charleston Medley』『Superphysical Resurrection』『Got To Be Your Lover』。

この中からは、やはり『Puttin' On The Ritz』が際立った一曲と言うことになる、この曲はシングル・カットされてヒットを記録し、1983年のBillboard年間シングル・チャートでは31位にランクインしており、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録している。ダンサブルとは言い難い所があるものの、不思議なリズムのある一曲であって、不思議と体が動く曲でもある。こういう所がこの曲の魅力であり、まただからこそキワモノ扱いをされることにもなったのだが、当時の「何でもあり」という所を象徴している一曲でもあり、これだからこそ'80'sサウンドにハマルと止められないのである。

このヒットしたアルバム・タイトル・ナンバー以外では、『Singin' In The Rain』や『Over The Rainbow』のように、往年の大ヒットを記録したミュージカル映画のカヴァーをしている所がまた面白いところであって、「どうして?」というギャップがあるが、これがまた彼の面白いところでもある。それから、筆者のお気に入りの『La Vie En Rose』、これもお薦め曲として忘れずに記しておくことにします。

現在、本アルバムを耳にしたら、格好陳腐なように感じるというのが一般的なようであるが、それはテクノロジーの進歩とシンセサイザーがあまりにもメジャーな存在になったからに他ならない。が、だからこそ本アルバムのような使い方もあり、それがまだ成熟していない時期だからこそ面白いものができあがったのである。'80'sサウンドが色々と面白いのは、'70's以前に完成していたと思われたサウンドに、発展途上のシンセサイザーが現れ、それを試行錯誤によって様々なサウンドを生み出したことによって、色々なサウンドが生まれた所にある。まさに彼はそんな試みを行った一人として、'80'sという時代で異才を放っているのである。決して主流ではないが、'80'sサウンドの幅の広さ、奥深さを知る上では欠かすことの出来ないアルバムである。

 

Puttin' On the Ritz

Puttin' On the Ritz

  • アーティスト: Taco
  • 出版社/メーカー: BMG International
  • 発売日: 1998/10/06
  • メディア: CD

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Puttin' On the Ritz

Puttin' On the Ritz

  • アーティスト: Taco
  • 出版社/メーカー: Lasel
  • メディア: CD


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