ELTON JOHN『THE FOX』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表されたものである。この時期の彼は「低迷期」と言われていて、評価も今ひとつのアルバムであるが、本作ではクリス・トーマスをプロデューサーに迎えて、新たな試みに挑んでいる。その一つが、イギリスではともかく、アメリカではどちらかと言えばマイナーになるフランス人作家のカヴァー曲を取り上げているのことである。そして、アルバム全体は欧州の色合いを強く出している。しかし、本アルバムは、イギリスでも最高位12位というようにTOP 10入を果たせず、アメリカでは最高位21位であって、TOP 20に一歩及ばなかった。(Billboardの年間アルバム・チャートのTOP 100にもランクインしていない。)
収録されているのは以下の全10曲である。『Breaking Down Barriers』『Heart In The Right Place』『Just Like Belgium』『Nobody Wins』『Fascist Faces』『Carla/Etude/Fanfare』『Chloe』『Heels Of The Wind』『Elton's Song』『Fox』。
この中からは2曲のシングルがアメリカでヒットしているが、いずれもBillboard年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。フランス人アーティストのカヴァーである『Nobody Wins』が最高位21位、『Chloe』が最高位34位を記録している。
筆者のお薦め曲は、『Carla/Etude/Fanfare』と『Chloe』の2曲である。本アルバムは評価が低いものの、この2曲はなかなかどうして、じっくりと聴かせてくれる曲であり、もっと評価されても良いとてもいい曲である。まあ、'70'sの華々しい活躍をしていた時期と比べると、「低迷期」と言われている時期の作品は小粒な感は否めないものの、それでもしっかりとまとめ上げていて、聴かせてくれる曲はしっかりしている。風評に惑わされることなく、じっくりと聴いて、判断してもらいたいアルバムである。
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