TOTO『HYDRA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼らの2nd.アルバムである。彼らは1st.アルバムからスケールの大きなサウンドを聴かせていた彼らであるが、本アルバムでは一段とスケール・アップして、神話の世界に足を踏み込んで、双頭の竜に立ち向かう騎士をテーマにして、ドラマティックなサウンドを聴かせてくれる。そして、彼らの有名なあの代表曲『99』が収録されているアルバムでもある。本アルバムは1980年のBillboard年間アルバム・チャートでは67位、レギュラー・チャートでは最高位37位を記録している。(評価が高い割に、チャートの成績は今ひとつ低い。)
収録曲は以下の全8曲である。『Hydra』『St. George And The Dragon』『99』『Lorraine』『All Us Boys』『Mama』『White Sister』『A Secret Love』。
アルバム・タイトル・ナンバーの『Hydra』はホーンが印象的な一曲で、この曲で幕が上がると、一気にファンタジーの世界に誘ってくれて、シングル・ヒットした『St. George And The Dragon』と『99』と続くと、圧巻となる。緻密であり、スケールの大きなサウンドは続いて、ラストの『A Secret Love』まで、一気に聴かせてくれる。
筆者のお薦め曲はシングル・ヒットの『99』『St. George And The Dragon』も捨てがたいが、これではあまりにも定番過ぎると言うこともあるので、S.ポーカロのボーカルを聴くことが出来る『A Secret Love』と、アルバム・タイトル・ナンバーであり、ホーンがお薦めの『Hydra』、ノリの良い『White Sister』という所をピックアップすることにするが、本アルバムの中で筆者が一番好きな曲は、実は『St. George And The Dragon』である。
本アルバムには、彼らを代表する名曲『99』が収録されているのに、このシングルの(チャート)成績は今ひとつである。(年間シングルTOP 100にランクインしていない。)ということで、本アルバムは「名曲は必ずしもチャートの動きと連動しない」ということを教えている。(つまり、ヒットチャートの上位に入らなくても、素晴らしい曲はいくらでもあるということである。また、ヒットしたから良い曲だと限らないのも言うまでもない。)が、グラミー賞を総なめにした「TOTO IV」も彼らを語る上では大事な一枚であるが、本アルバムは1st.アルバムと共に彼らの方向性と可能性を示したアルバムでもあり、やはりTOTOを語る上では忘れてはならないアルバムである。'80'sサウンドがお好きな方は、聴いていないとならないアルバムでもある。
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