「THE SCARLET LETTER」('26/'34) [映画(洋画)]
先に「スカーレット・レター」を取り上げたが、こちらの作品を忘れてはならないと言うことで、表題の作品をピックアップする。表題の作品は、映画「緋文字」である。1926年のサイレント映画「緋文字」はスウェーデン出身の名匠ヴィクトル・シェストレム監督作品ということと、主演がリリアン・ギッシュということで有名であるが、1934年の方は一つ知名度は高くない。
尚、1926年の「緋文字」は、劇場公開時は「緋文字」というタイトルであったが、ビデオ化された時に「真紅の文字」というタイトルに改題され、更に現在は、主演のリリアン・ギッシュの名前も追加して「リリアン・ギッシュの真紅の文字」という邦題となっている。(「緋文字」というタイトルでは、やはり1972年のヴィム・ヴェンダース監督作品という印象が強いと言うこともあるのでしょうね...)
作品データを記す(サイレント作品と古い作品ということで、資料があまり無いので簡単にします。)と、1926年の作品は、原作はナサニエル・ホーソン、監督はヴィクトル・シェストレム、出演は、リリアン・ギッシュ、ラルス・ハンソン、ヘンリー・B・ウォルソール、コリーン・ムーアたちである。
また、1934年の作品の方は、原作はナサニエル・ホーソン(「緋文字」)、監督はロバート・G・ヴィニョーラ、脚本はレナード・フィールズとデイヴ・シルヴァースタインの2人、撮影はジェームズ・S・ブラウン・Jr.である。そして出演は、コリーン・ムーア、ハーディ・オルブライト、ヘンリー・B・ウォルソール、アラン・ヘイル、コーラ・スー・コリンズ、ウィリアム・ファーナム、ヴァージニア・ハウエル、ウィリアム・ケントたちである。
原作が同じ小説であり、特にストーリーの上では大きな違いは無いが、舞台となる町が違うなど、多少の違いはある。
まずは1926年版の方から。こちらは何と言ってもリリアン・ギッシュの演技に圧倒される。やはり、20世紀初頭のビッグ・スターである貫禄ある所を見せてくれます。物語の舞台は、戒律の厳しい清教徒の町・ボストンである。自由な女性ヘスターは、協会に赴任してきた牧師のディムズデールに惹かれる。夫が留守中にディムズデール牧師と関係を持ったヘスターは身籠もるが、子供が出来たことを知らずにディムズデールは他の町に移って行ってしまった...
続いて、1934年版。こちらの物語の舞台となるのはニュー・イングランドのある村ということになっている。(清教徒が多いという設定は受け継がれている。)ヘスターの夫は数年前に彼女の元を去っていき、既に死んでいると思われていた。ヘスターは人々から尊敬されている牧師・ディムズデールと知り合いになり、やがて恋仲へ発展し、牧師の子を身籠もるヘスター。そして子供が生まれ、ヘスターは姦婦の印を付けられることになった。そんな所に死んだと思われていた夫が姿を現した...
どちらの作品も、大筋は原作小説に従った内容であるが、多少のアレンジがあるのはよくあることであって、これも悪くはない。が、やはり、1926年版のリリアン・ギッシュである。1995年の「スカーレット・レター」のデミ・ムーアも頑張っているものの、やはりリリアン・ギッシュである。ということで、改めて彼女が伝説のスターだ、ということを感じさせてくれました。(以前はLaserDiscではリリースされていたのですが、是非ともDVD化して貰いたいところです。)
ところで、1972年の西ドイツ(当時)とスペインの合作の「緋文字」(ヴィム・ヴェンダース監督作品)については別の記事と言うことにします。
この2本は現時点でDVD化されていないので、とりあえず原作小説を...
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