怪談新耳袋「夜警の報告書編」 [ドラマ]
7/8深夜のBS-iの「怪談新耳袋」の再放送は、表題の通り「夜警の報告書編」であった。30分枠の放送だったので、1話5分×5話ということで、5話が放送された。その内の4話が「夜警の報告書」という物語であり、残りの1話が「庭」でした。元々「夜警の報告書」という物語は、劇場版第1作の8本のオムニバス作品群の中の1本目の作品であって、時間は約19分という物語である。これを4分50秒となるように4つに分け(一部だけ僅かに同じ映像を使って時間調整を行っている。)、それぞれの頭に5秒のOP、後ろに5秒のキャスト&スタッフのテロップを付け、5分×4話に再構成したものである。よって、「新耳」の1st.から5th.の合計95本の中には含まれていない。が、この4本を加えた全99話が「怪談新耳袋」のDVD-BOXに収録されている。(この99話が「怪談新耳袋」のTVシリーズという扱いになっている。)ということなので、「夜警の報告書編」という事にするのは上手い所である。が、劇場版第1作を見ていれば、「夜警の報告書編」は不要なんですけど...
一方、「庭」は2nd.の中の1本である。と言っても、4th.と5th.は特定の主人公がいて、その主人公を中心とした物語であるが、1st.、2nd.、3rd.は特に何処にあっても大差は無いですけど...
今回の物語はいずれもが恐怖を味わうことの出来る物語でした。コミカルで全く怖くない物語も存在する「新耳」であるが、やはり「怖い」物語は今の時期に味わいたい所です。
「夜警の報告書」(話数は第81話~第84話の連続4話)
ある警備会社が担当している海洋第二ビルは解体中の古びたビルである。が、そこの警備員はリーダーの吉沢を除いて、次々と辞めていた。報告書の特記事項には「異常なし、但し、男一名」「異常なし、但し、老人一名」「異常なし、但し、着物姿の女一名」…、と不思議なことが書かれていた。警備員の入れ替わりが激しいことに頭を悩めていた指令補は、ある夜「幽霊が出た」と言う報告電話の中に女性の笑い声を聴き、自ら現場に行く。リーダーの吉沢は「気のせい」と言い、一緒に見回りに行くが、指令補は幽霊を目にした...
トータル時間が20分ということで、たっぷりと怖がらせてくれる物語である。4話を使って「起承転結」をまとめているが、1話5分のフォーマットに慣れると、最初の1話はちょっと展開が遅いと感じてしまう。この辺りは5分の作品ではなくで20分の短編(劇場版の1エピソード)として制作された物語ということで仕方がないところでしょう。が、劇場版の1エピソードとして制作されたため、4話目の指令補が目にする幽霊の数が多く、1話5分の物語では考えられない大人数を投入しているということに繋がり、怖さもUPしている。尚、この物語は1話ずつ見るのではなく、4本をまとめて一気に見るべきである。
「庭」(話数は第12話)
主婦のかおりは気になることがあって友人・悦子を家に呼んで調べてもらった。が、特に何も無かった。帰りがけ、悦子は玄関前に大量の花束が置かれているのを目にするも、かおりが玄関ドアを閉めると花束は消えていた。一方かおりは、誰もいないはずの2階の部屋から掃除機の音がするのを耳にして、その部屋に行って掃除機を止めようとすると人の気配を感じた。が、見上げると誰もいない。そんな中、悦子からの電話で「その家、早く出た方がいい」と伝えられた。この家はかつて惨劇の舞台となった家だった...
1話5分の「新耳」らしい物語の1本であり、少ない登場人物を上手く使い、怖さを巧みに演出している物語である。派手な所は一切無く、シンプルであるが、だからこそ伝わってくる恐怖がある。また、カラー作品であるが、色ノリを押さえて準セピア調に仕上げている所も恐怖感を増幅させている。派手にお金を使い、派手な特殊メイク、CGを使わなくても演出一つで恐怖感を表現できるということを教えている秀作である。
次回は7/14の22:30~22:54に「新耳」の放送がありますが、24分枠なので4本の放送ですが、またまたOP、本編、EDテロップを細切れにして放送するんじゃないかと考えると、改善してもらいたい所です。(放送されるのは第1話~第4話の4本です。)
↓「夜警の報告書」はこちらで見た方が良いでしょう。
コメント 0