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「IL RITORNO DI RINGO」 [映画(洋画)]

表題の作品は1966年のイタリア産の西部劇(=マカロニ・ウエスタン)の「続・荒野の1ドル銀貨」である。タイトルから「荒野の1ドル銀貨」の続編と思ってしまうが、実は全く関係ない作品である。(ややこしい話であるが、「夕陽の用心棒の続編である。→「夕陽の用心棒」については先に記している。ここをクリックすればご覧頂けます。)主人公も完全に別キャラであり、「荒野の1ドル銀貨」は南軍の兵士だった男の物語で、本作は北軍にいた男の物語である。(イタリア映画と言うことで、日本では冷遇されているが、主演が同じということと、物語が南北戦争が終了した直後ということからの、実に安易な邦題の付け方である。)早撃ちやアクロバット撃ちを見せてくれるということで、娯楽作品としての要素も強い一本である。

映画データを記しておくと、時間は96分、監督はドゥチオ・テッサリ、脚本はドゥチオ・テッサリとフェルナンド・ディ・レオノの2人、撮影はフランシスコ・マリン、音楽はエンニオ・モリコーネである。そして出演は、ジュリアーノ・ジェンマ、ジョージ・マーチン、ロレッラ・デ・ルーカ、アントニオ・カザス、フェルナンド・サンチョ、ニエヴェス・ナヴァロ、たちである。

物語は、南北戦争が終り、元北軍大尉のモンゴメリー・ブラウン(またの名をリンゴ)が故郷に帰ってきた。彼は早撃ちのガンマンであった。久しぶりの故郷は大きく変わっていて、近くを流れる川から砂金が発見されたことから、パコを首領とする悪辣な輩によって町は蹂躙されていた。更に、彼の妻がパコの女になっているという噂もあった。パコの一味と自分を裏切った妻を消してしまおうと考えたリンゴだったが、パコに捕まり、リンチを受けて美希でを潰され、銃を撃てなくなってしまった。失意のリンゴだったが、妻が近づいてきて、今も彼を愛していること、リンゴが出生してから数ヶ月後に娘が生まれたこと、パコとの結婚式が数日後に迫っていることを告げ、助けを求めた。それからリンゴは左手で銃を撃つ訓練を始め、パコと妻・ハリーの結婚式当日を迎え、リンゴはパコに挑んでいった...

右手を潰されたから左手で、という発想は色んな所にも出てくるアイデアであり、映画、ドラマ、漫画の世界ではそれが成功するのが常であるが、実際はとても難しいことである。が、それを達成するための動機付けとなる部分がしっかりと描かれているので、ドラマとしても変な印象を与えないで、ストーリーに付いていくことが出来る。また、西部劇の音楽では数多くの名曲を書いているエンニオ・モリコーネの音楽というのもいいものである。

タイトルこそ「続・荒野の1ドル銀貨」であって「荒野の1ドル銀貨」の続編という印象があるが、そうではなく「夕陽の用心棒の続編だということをしっかりと頭に入れましょう。(早い話、日本の配給を行った某社(名前は出さないことにしておきますが...)の作品内容を無視した滅茶苦茶な邦題を付けたことが原因で、その恥さらしをいつまでも晒しているということである。)

 

続・荒野の1ドル銀貨 スペシャル・エディション

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  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • 発売日: 2007/08/24
  • メディア: DVD

↓これの続編です。

夕陽の用心棒

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  • 発売日: 2002/09/21
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