DAVID BOWIE『LOW』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1977年の頭に発表された彼の11枚目のアルバムである。本アルバムは、アメリカでの生活に疲れ、ドラッグ浸けとなっていた日々からの脱却のためにベルリンに入り、ブライアン・イーノと共にスタジオに籠もって作り上げた実験的な作品である。のちに呼ばれるようになる『ベルリン三部作』の最初のアルバムである。また、セールスの点でも成功を収め、イギリスでは最高位2位、アメリカでも最高位11位を獲得するヒットを記録した。(但し、Billboardの年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)
収録曲は以下の全11曲である。『Speed Of Life』『Breaking Glass』『What In The World』『Sound And Vision』『Always Crashing In The Same Car』『Be My Wife』『New Career In A New Town』『Warszawa』『Art Decade』『Weeping Wall』『Subterraneans』。
この中からは『Sound And Vision』がシングル・カットされて、イギリスでは最高位3位を獲得する大ヒットになった。(アメリカでも、Billboardのシングル・チャートで最高位69位を獲得している。但し、年間シングルTOP 100にはランクインしていない。(最高位がTOP40に届かなかったら、入るはずがない...))
また、本アルバムの特徴は、『Warszawa』『Art Decade』『Weeping Wall』『Subterraneans』という後ろの4曲(LPではB面の全て)がインスト・ナンバーだということである。それらの醸し出すサウンド・スペースはまさに別世界のものであり、当時はまだ黎明期であったシンセサイザーを巧みに使った世界は独特の味を出している。そして中でも『Warszawa』は高い評価を得て、この時期の彼の代表作といわれることになった。
この中からの筆者のお薦め曲は、『Speed Of Life』、シングル・ヒットを記録した『Sound And Vision』、そしてインスト・ナンバーの4曲全てである。(ちょっと欲張りすぎですけど...)が、どちらかというと、後ろ4曲のインスト・ナンバーの方をよりプッシュします。今でこそ、シンセサイザーを使ったサウンドはポピュラーなものであるが、当時のシンセと言えば、テクノをはじめとした機械的な無機質なサウンドというのが一般的であったが、それをまた上手く使った所は聴き所である。
'70'sのグラム・ロック時代のBOWIEを聴く場合、「THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERD FROM MARD」(邦題:ジギー・スターダスト)と共に、外すことの出来ない名盤である。じっくりと聴きましょう!
コメント 0