「FRENZY」 [映画(洋画)]
表題の作品は1972年の映画「フレンジー」である。言わずと知れたヒッチコック監督得意のサスペンス・スリラーであり、久しぶりに故郷のイギリスに戻って作った作品である。ビッグ・ネームの俳優は出演していないが、以前のヒッチコックらしさが出た秀作である。
作品データを記しておくと、原作はアーサー・ラバーン、製作と監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はアンソニー・シェイファー、撮影はギル・テイラー、音楽はロン・グッドウィンである。そして出演は、ジョン・フィンチ、バリー・フォスター、ビリー・ホワイトロー、バーナード・クリビンス、ジーン・マーシュ、アンナ・マッセイ、アレック・マッコーエン、バーバラ・リー・ハント、たちである。
物語の舞台はロンドンである。ロンドン・テムズ川の川辺にネクタイで絞殺された全裸の女性の死体が上がった。更に、結婚相談所の女所長が同じ手口で殺された。目撃情報から、女所長の離婚した夫が殺人容疑で追われることになる。が、彼は自分の不遇を語ろうとしてやってきただけで、殺してはいなかった。無実なのに警察から追われることになった男だったが、彼の行く先々で次々と殺人事件が起こり、しかも男は真犯人に匿われることになってしまう...
ヒッチコック監督が得意とする「追われ型」のサスペンスが展開され、健在ぶりを証明することにもなった。派手な所は無いが、ヒッチコックらしい洒落の効いた粋な演出、細部に拘った描写、風刺の効いた所、変態的な犯人の持つ一面など、「低迷している」と当時言われていたが、そんなことはなく、たっぷりと楽しむことが出来る。じっくりと見て、ヒッチコック監督の世界を堪能しましょう!
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