「THE HUSTLER」 [映画(洋画)]
表題の作品は1961年の映画「ハスラー」である。先頃、俳優としては引退すると発表したP.ニューマン主演の作品で、本編の2/3がビリヤードのゲーム・シーンということで、ビリヤード・ファンにとっては教科書の様な作品である。(また、ビリヤードがブームになった時も、バイブルのように扱われました。)本作はアカデミー撮影賞と美術監督賞を獲得しているが、助演男優賞にノミネートされたジョージ・C・スコットがノミネートを拒否したということの方が大きな話題となりました。また、本作から25年後の1986年になって、続編である「ハスラー2」が製作された。(が、そちらの評価は今ひとつである。)
作品データを記しておくと、1961年の白黒作品であり、時間は135分である。原作はウォルター・テヴィス 、製作、監督はロバート・ロッセン、脚本はロバート・ロッセンとシドニー・キャロルの2人、撮影はユージン・シャフタン、音楽はケニヨン・ホプキンスである。そして出演は、ポール・ニューマン、ジャッキー・グリーソン、パイパー・ローリー、ジョージ・C・スコット、マーレイ・ハミルトン、マイロン・マコーミック、マイケル・コンスタンティン、ジェイク・ラモッタ、たちである。
ビリヤードの世界で金を稼ぐプロのハスラーの姿を描いた原作小説の映画化作品であり、それが白黒という世界で「影」を巧みに使った演出が生きている。
プロのハスラーとしてビリヤードの世界で生きている男・エディは、ミネソタ・ファッツと呼ばれる名うてのハスラーに勝負を挑む。勝負は36時間という長丁場のポケット式玉突きで行われる。最初はエディが優勢に勧めていたが、図に乗ったエディは酒を飲みながら勝負を続け、後半になると次第に押されていき、結局は逆転敗けとなって文無しになってしまう。そんなエディは酒に走り、生活がすさんでいく。そんな中で、愛する女性に自殺されたことで、再びミネソタ・ファッツに挑んでいく...
人生の挫折と苦渋の日々を通して成長していく人間ドラマをビリヤードと絡めてうまく描いた作品である。(25年後の続編では、本作の主人公・エディのその後が描かれているが、ドラマとしての迫力、重みというものは本作の足元にも及ばない。)じっくりとドラマを堪能しましょう!
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