「LO STRANIERO」 [映画(洋画)]
表題の作品は1968年のイタリアとフランス、アルジェリアの合作映画「異邦人」である。となみに、アメリカでのタイトルは「THE STRANGER」である。原作は有名なカミュの実存主義文学作品であり、ちょっと難しさを感じてしまうが、そこはヴィスコンティ監督が分かりやすく映画化している。
作品データを記しておくと、時間は104分、原作はアルベール・カミュ、製作はディノ・デ・ラウレンティス、監督はルキノ・ヴィスコンティ、脚本はスーゾ・チェッキ・ダミーコ、エマニュエル・ロプレー、ジョルジュ・コンションの3人、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はピエロ・ピッチオーニである。そして出演は、マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・カリーナ、ベルナール・ブリエ、ブルーノ・クレメル、ジョルジュ・ウィルソン、ピエール・ベルタン、ジャック・エルラン、ジョルジュ・ジェレ、アルフレ・アダン、たちである。
物語の舞台は第二度大戦前のアルジェリアのアルジェ。平凡な市民であるムルソーの母が養老院でで亡くなり、その葬儀を行い、アルジェに戻ってくる。次の日彼は以前同じ会社にいたタイピストのマリーと喜劇映画を見に行く。そんな彼にとっては、母の死も、恋人の存在も現実として受け入れられなかった。そんなムルソーは「太陽が眩しいから」理由で人を撃ち殺してしまった。裁判で死刑の宣告を受けた時、ようやく彼は時勇を、自分の存在を感じ取るが...
ヴィスコンティの試みは決して成功したとは言い難い所があるが、カミュの難解な原作小説を分かりやすくしたということではそれなりの評価をすることが出来る。
しかし、こういう作品は、日本ではソフト化されにくい。以前、LDではソフト化されているが、DVD化はされていないし、現在ではビデオ・ソフトのほうも無い。興行的に大成功を収めた作品とは言い難い作品であるが、ヴィスコンティ監督作品であり、是非ともDVD化してもらいたい作品である。(そう考えたら、LDはもの凄いところまでソフト化していたということですね。)
↓原作はこちら
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