SLY & THE FAMILY STONE『THERE'S A RIOT GOIN' ON』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1971年に発表された彼らの5枚目のアルバムであり、彼らのアルバムで唯一全米No.1に輝いたアルバムである。(2週連続1位を獲得し、1972年のBillboard年間アルバム・チャートでは45位にランクインしている。)が、本アルバムが彼らの最盛期の最後という形になってしまった。これまでの彼らのサウンドはファンキーであって、華やかなものであったが、本アルバムのサウンドは大きく変わっていて、暗く不吉なサウンドである。当時は「AFRICA TALKS TO YOU」というタイトルが予定されていたが、表題のタイトルに変更された。(邦題は「暴動」である。)彼らの代表作として認められているアルバムであり、'70'sで最も偉大で影響力のあるアルバムの一つに選ばれている名盤である。
収録曲は全12曲である。『Luv N' Haight』『Just Like A Baby』『Poet』『Family Affair』『Africa Talks To You "The Asphalt Jungle"』『There's A Riot Goin' On』『Brave & Strong』『(You Caught Me) Smilin'』『Time』『Spaced Cowboy』『Runnin' Away』『Thank You For Talkin' To Me Africa』。
ところで、『There's A Riot Goin' On』は時間が「0分0秒」ということで、実際には聴くことは出来ない。そのため、この曲はライナーノーツに記されていないものもある。が、オリジナル盤では例え0分0秒であっても存在していたので、ここでは1曲として記しておきます。また、この件に対してスライは、「自分はいかなる暴動も起こってほしくない」がゆえに表題曲『There's A Riot Goin' On』には演奏時間がない、と説明している。
尚、リマスターされたアルバムには、以下の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されている。『Runnin' Away [Single Version]』『My Gorilla Is My Butler』『Do You Know What?』『That's Pretty Clean』。
この中からは3曲がシングル・カットされてヒットを記録している。『Family Affair』は彼らは3曲のNo.1ソングを放っているが、その中の1曲であり、3週連続1位を獲得している。1971年の12月に1位を獲得したということで、年間チャートでは2年にチャート成績が分断されてしまうため、1972年のBillboard年間シングル・チャートでは80位という下位にランクインしている。また、『Runnin' Away』は最高位23位を、『(You Caught Me) Smilin'』は最高位42位を記録している。(後の2曲は年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットした『Family Affair』と『(You Caught Me) Smilin'』、そして『Just Like A Baby』『Spaced Cowboy』をピックアップしておく。
'70'sのファンキー・ミュージックは'70's後半のディスコ・サウンドの一大ブームに繋がる所があるが、彼らはそのディスコ・ブームを支えたアーティストたちに多大な影響を与えている。ディスコ・ブームの時期には活動停止状態であった彼らであるが、'70'sサウンドを語る上では、彼らの残したサウンドに触れない訳にはいかない。'70'sサウンドを堪能するのであれば、本アルバムは聴いておかなければならないアルバムの1つである。(年末年始の「ベストヒットUSA」で彼らの名前が出たので、取り上げることにしました。)
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