「ANTONY AND CLEOPATRA」 [映画(洋画)]
月曜の1本目は音楽もののはずなのに、映画となり、しかもローテーションから飛んで「A」で始まる作品に飛んだのは、チャールトン・ヘストンの訃報が届いたためです。「ベン・ハー」「十戒」「猿の惑星」などの代表的な出演作はこれまでに述べているので、彼の初監督作品であるこの作品を選ぶことにしました。享年84歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
表題の作品は1971年の映画「アントニーとクレオパトラ」である。この作品はアカデミー賞も獲得しているC.ヘストンが初めて監督を務めた作品でもある。また、脚本もヘストンであり、彼は監督、脚本、主演の三役を本作で担っている。
作品データを記しておくと、時間は170分、アメリカ、イギリス、スイス、スペインの合作映画である。原作はウィリアム・シェイクスピア、製作はピーター・スネル、監督と脚本はチャールトン・ヘストン、撮影はラファエル・パチェコ、音楽はジョン・スコットである。そして出演は、チャールトン・ヘストン、ヒルデガード・ニール、フェルナンド・レイ、ジョン・キャッスル、エリック・ポーター、フアン・ルイス・ガリアルド、カルメン・セヴィラ、フレデレック・ジョーンズ、たちである。
1969年の「ジュリアス・シーザー」に出演して以来、ヘストンが映画化を熱望していたシェイクスピア原作の本作は、監督、脚本、主演を兼ねる意欲作であり、壮大なスケールのスペクタクル劇となっている。また、戦争のシーンの迫力は凄い。アントニーとクレオパトラの悲劇の愛を、3時間近い大作として描いている。
シーザーの死後4年が流れ、繁栄を極めたローマ帝国にも内乱の兆が現れてきた。アントニーは北アフリカにいて、エジプトの女王クレオパトラとの恋に落ちていた。ローマにいるアントニーの妻・ファルビアと弟のルーシアがオクタビアスに戦いを挑み、敗れて散ったという知らせがアントニーに届く。また、ポンペイの軍がローマに迫っていた。アントニーは急いでローマに戻ると、ポンペイ軍を制圧するためにオクタビアスの姉・オクタビアと結婚して戦いに行き、ポンペイ軍を壊滅する。平和を取り戻したローマに戻ったアントニーは、オクタビアを振り切って再びクレオパトラの元に走った。するとオクタビアスは、アントニーの一族に対する侮蔑と背徳行為に激怒して、アントニーとクレオパトラのいるアレキサンドリアへと大軍を送り込んだ。アントニーは敗北するが、クレオパトラがアントニーの心を癒してくれる。オクタビアスはアントニーを引き渡すようにクレオパトラに使者を出し、クレオパトラはこれを承知するが、アントニーはこれを侮辱と受け止めて再び戦いを挑む。が、大軍の前には歯が立たず、再び地にまみれた。アントニーはこの敗北はクレオパトラの裏切りのせいとして激怒するが、アントニーを恐れたクレオパトラは砂漠にある秘密の廟に身を隠したが...
アントニーとクレオパトラの愛のドラマであるが、そのドラマの方は特にこれというものが無くて平凡なものである。本作の魅力は、何と言っても戦いのシーンである。見応え満点の迫力の戦争シーンは必見である。
C.ヘストンが亡くなったということで、NHKの衛星映画劇場が近いうちに予定を変えて、彼の出演作を放送してくれるのではないかと思うが、「ベン・ハー」や「十戒」ではなくて本作を放送するということは出来ないでしょうかねぇ、本作のソフトが現在無い状態であるだけに...(「ジュリアス・シーザー」でも構わないが、本作は監督と脚本まで務めているだけに、追悼企画としたらピッタリだと思うのですけど...)
チャールトン・ヘストン―スペクタクルの輝ける勇者 (1974年)
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↓本作のソフトが無いので、C.ヘストン出演作をいくつか。
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