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「WALL STREET」 [映画(洋画)]

表題の作品は1987年の映画「ウォール街」である。'80'sのバブル期におけるアメリカ証券業界を舞台に、証券マンの夢と野望を描いた物語であり、O.ストーン監督の演出が冴え渡った作品である。

作品データを記しておくと、時間は124分、監督はオリヴァー・ストーン、脚本はスタンリー・ワイザーとオリヴァー・ストーンの2人、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はスチュワート・コープランドである。そして出演は、マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン、ダリル・ハンナ、マーティン・シーン、ハル・ホルブルック、テレンス・スタンプ、ショーン・ヤング、シルヴィア・マイルズ、ジェームズ・スペイダー、ジョン・C・マッギンレー、ソウル・ルビネック、ジェームズ・カレン、リチャード・ダイサート、ジョシュ・モステル、ミリー・パーキンス、タマラ・チュニー、フランクリン・カヴァー、たちである。また、M.ダグラスは本作でアカデミー主演男優賞を獲得している。 (面白いのは、D.ハンナがゴールデン・ラズベリー賞のワースト助演女優賞を受賞している所である。)

若き証券マンであるバド・フォックスは、貧乏人から巨万の富を築きあげて成功したゴードン・ゲッコーをいつの日か追い越そうという野望に燃えていた。数ヶ月かかって、ゲッコーと5分間の面会時間を何とか得ると、バドはブルースター航空で技師として働いている父から、ブルースター航空の経営状況に関する情報を入手し、それをゲッコーに流す。ゲッコーはバドの事を気に入り、バドの証券会社を通して取り引きをするようになる。バドはゲッコーのやり口を徹底的に研究し、実績をあげていく。で、バドは莫大な報酬を手に入れ、華やいだ生活を始める。ある日、ゲッコーの家で行なわれたパーティーの席で、バドはインテリア・デザイナーのダリアンと知り合い、恋に落ちる。ゲッコーはダリアンのパトロンであったが、ゲッコーは2人を同棲させる。そんな頃、ゲッコーはブルースター航空を乗っ取ろうと考えていた。バドは父と対立するが、ゲッコーの考えは、ブルースター航空を解体し、合併会社に買いとらせるというものであった。やがてバドは自分がゲッコーに利用されていることに気がつくが、父が心臓発作で倒れてしまう。父の姿を見たバドは、自分を取り戻すと、ブルースター航空をゲッコーのライバルであるワイルドマンに買い取ってもらう交渉を始める。激しい攻防戦の末、ワイルドマンが勝ったが、バドの裏切りを知ったゲッコーは報復に動く。ゲッコーの恐ろしさを知っているダリアンはバドの元を去り、証券取引委員会はブルースター航空の株取引の調査に入り、インサイダー取引の罪でバドは逮捕される。仮出所したバドはゲッコーに呼び出されるが、その時のやりとりを録音していたバド。このテープによってゲッコーはインサイダー取引の罪で逮捕されることになる...

野望のためにはインサイダー取引という違法行為にまで手を染めていき、たっぷりと甘い世界を知るが、ある日正義に目覚めると、悪事に手を染めた先人を懲らしめるというストーリーは、ストレート過ぎるものである。特に、後半は作風が変化してしまい、ありがちなものになってしまうが、前半のバドが上り詰めていく所は、証券業界の世界を戦場に見立てて描いていて、なかなか面白い。この辺りは、流石はO.ストーン監督だと感じさせる所でもある。

それにしても、本作はバブル絶頂期に公開されることになり、鋭い所を突いていたが、そのバブルが崩壊した後も、相変わらず同じようなことが何度も繰り返されていて、本作で描かれているインサイダー取引というものが後を絶たないのは、甘い誘惑の力なのか、人間は学習効果を得られないのか。今になってみるとこれもまた面白い所である。

 

ウォール街 (特別編) (ベストヒット・セレクション)

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


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