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「LES YEUX SANS VISAGE」 [映画(洋画)]

表題の作品は1959年のフランスとイタリアの合作映画「顔のない眼」である。ちなみに、英語でのタイトルは「THE EYES WITHOUT A FACE」である。あまり数は無いが、外科医とホラーを融合させた作品の元祖と言うことの出来る作品である。(このジャンルでは1972年のアラン・ドロン主演の「ショック療法」(原題:TRAITEMENT DE CHOC)が有名です。)ちよっとショッキングな所があるが、後に特殊メイクとSFXで怖がらせるホラー映画とは少し趣が違っていて、白黒という所を上手く使った映像美で見せるホラー作品である。こういう怖がらせ方というのも一つのテクニックです。

作品データを記しておくと、時間は90分の白黒作品である。原作はジャン・ルドン、監督はジョルジュ・フランジュ、脚本はピエール・ボワロー、トーマス・ナルスジャック、ジャン・ルドン、クロード・ソーテの4人、撮影はユージェン・シュフタン、音楽はモーリス・ジャールである。そして出演は、ピエール・ブラッスール、アリダ・ヴァリ、エディット・スコブ、ジュリエット・メニエル、シャルル・ブラヴェット、たちである。

自動車事故で顔面に大怪我を負った愛娘・クリスチアヌのために、パリに住む皮膚移植手術の権威・ジェネシェ博士は助手のルイーズを使って若い娘を誘拐して、その娘の皮膚をクリスチアヌに移植しようとしていた。が、手術は失敗、博士は2人目の娘を掠い、再び手術をする。一旦、手術は成功したと思われたが、結局失敗した。警察は若い娘が失踪する事件が続いたことから、万引きの前科を持つポーレットという娘をおとりに使って捜査を始める。わざと博士の病院に入院したポーレットが退院すると、博士はポーレットを掠ったが...

これという特撮技術も使っておらず、「白黒作品」ということを巧みに使った映像で恐怖を描いているのだが、カラー作品ではリアルすぎて怖さが消えてしまうだけに、表現方法の勝ちという作品である。製作されたのがかれこれ半世紀も前ということになるため、病院の設備などは確かに前時代的な所がある。しかし、レトロチックに感じるそれらと白黒映像によって想像力を駆り立てられることになり、怖さを増幅させてくれる。

また、娘が白塗りのマスクを付けて館を歩くシーンは、白黒映像による恐怖シーンとしては有名な所である。ということで、「芸術的ホラー作品」として知られている作品である。'70's以降、特に'80's以降の人気ホラーシリーズとは全く違った表現でも十二分に恐怖を感じることが出来るということで、ホラー・ファンには目から鱗になるであろう。一度は見ておきたい作品である。

 

顔のない眼

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