東京少女・大政絢#2「100万回の孤独」 [ドラマ]
今月の4つの物語は、前回の「幸福荘」の同じ部屋に、異なる時間軸上に住む少女・絢(当然別人)の物語であるが、なるほど、前回の壁への赤いスプレーがしっかりと活かされていましたね。(でも、前の人が出ていったら、塗り直すと思うんですけど...)ただ、今回はアパートの名前は語られていませんでしたけど...(前回の物語を見ていないと、分からないという仕掛けを、今月は用意したということですか。やっぱり、色々とやってくれますね。)
今回は、主題歌『トウキョウノウタ』の歌詞をドラマにしたような物語でした。「孤独」ということは分かるが、タイトルの「100万回」の意味が今ひとつ理解できませんでした。(ここでの意味は「多数の」という意味で使われているということで良いんでしょうね...)
自分の存在に気づいて貰えない孤独な少女で、マンガ家を目指している少女が今回のヒロインでした。劇中で「僕は…」と言っていて、「私は…」と言っていない所がミソでしたね。で、マンガ家を目指すということから「トキワ荘」のことが頭に浮かんだ筆者でした。どうせなら、昭和20年代か30年代という設定にしても良かったかも...→蛍光灯の調子が悪いというのが、供給電力が不安定で、時々停電する、ということに出来、一段と「孤独」で「受け身」になっている主人公ということを強く表現できたと思うんですけど... でも、携帯電話は存在しないから、この枠で放送するにはスポンサーが認めないから、やっぱりボツですね...
あのマンガ家の先生の所、アシスタントがコスプレをしていたが、どんな漫画を書いているのでしょうか?でも、マンガ家の先生というより、気弱な主人が経営している家族経営の、小さな運送屋か印刷工場を仕切っているおばちゃんという感じがしたのですけど...
今回は、色々と突っ込みながら記していくことにします。
通行人の数を数えるアルバイトをしている絢。(こういうバイトでは、カウンターは複数あって、左から来る人、右から来る人、自転車というように、複数のカウンターを使って数えると思うのですけど...)「僕は透明人間だ」と、誰も自分の存在に気づかず、孤独を感じている少女である。通行人にオープンを知らせるチラシを配っている所を通っても、チラシをもらえない影の薄さ。(チラシなら別にと思うが、ティッシュ(最近、あんまり配っていないですね...)だったら、必ず貰えるようにしますけど...)→その近くに町の電器屋さんの看板があって、チラシを勝手に持っていくことが出来る、というのがまたまた考えられていた所でもありました。
服を買おうとしてお店に入っても、店員が気づいてくれず、結局買わずに出ていく絢。→こういう店では買わないべきです。よって、この行動は正解だと思います。
漫画家を志望していて、女性漫画家のアシスタント(ベタ塗り)をしているが、そこでも存在感が無く、声を掛けて貰えない。また、夜、アパートに帰って、携帯で留守電をチェックするが、メッセージは届いていない。そんな絢は、孤独な主人公の漫画を書いていた。(気持ちはよく分かります。)
漫画を書いていたら、部屋の蛍光灯がちらついた。ということで、漫画雑誌を重ねて、それを踏み台にして、器具の様子を見ようとするが、雑誌が崩れて転んでしまう。→いくらなんでも、これは危険です。と言って、部屋にあるキャスター付きの椅子でも危ないし...
翌日も通行量調査のバイトをし、チラシを配っている前を通っても、やっぱりチラシを貰えない。→でも、心の中で文句を言っても相手に伝わりません。文句を言うなら堂々と言うべきですけど...
その夜、紅茶を飲もうとしてハート型の角砂糖を入れようとするが、それを床に落としてしまい、部屋が汚れていると言うことで掃除を始める絢。大掃除という意気込みでマスクまでして気合いが入っているのはいいが、安アパートで夜に掃除機を使えば、近所迷惑ですけど...
キッチンの食器棚を移動して、壁に赤いスプレーの跡(前回の「幸福荘ものがたり」の絢が残したあの跡です。)があることに気づいた絢。→入居人が変わったら、壁の汚れぐらいは直すのが普通じゃないの?大家さん、手抜きですね...
翌日、通行量調査のバイトはクビになり、男子学生が行っていた。絢はその前を何度も言ったり来たりするが、数えて貰えなかった。→自分を分かって欲しいという気持ちは分かるが、そういう意地悪をしても数えてくれないのは決まりです。バイトをしていたのなら分かっていると思うが、それだけ寂しいということですね。
その日、漫画家の先生からは「明日から来なくて良いよ。って言うか、センスが違うっていうの」ということで、これもクビになってしまう。→訳の分からないコスプレのアシスタントを使っているような先生だったら、止めた方が良いと思いますけど...
その夜、アパートでは書いていた漫画に当り、原稿をまき散らす絢。それを拾っていると、壁の赤いスプレーの跡が目に入り、その染みと自分を重ね合わせ、泣き崩れる絢。(ここでAパート終了・経過時間は16分に少し足りない所ということで、Bパートは10分ちょっとです。)
翌日、街に出た絢は、誰かに声を掛けようと決心した。で、交差点で信号待ちをしている女性に目を付け、その女性に近づいて行く。で、声を掛けようとするが、青信号となって女性は歩き出してしまった。で、その後をついていく。(一つ間違えるとストーカーと間違えられてしまいます...)で、声を掛けようとするが、その時女性の携帯に着信が入り、電話に出る女性。で、長電話をする女性をひたすら待っている絢。ようやく電話が終わり、声を掛けようとして近づいて行くが、女性は何処かに電話をかけて、再び話し出した。ということで、その女性に声を掛けることを諦める。
続いて、何処かのおばちゃん(スーパーの袋を持っている)の後をついていく絢。が、結局おばちゃんは自宅に到着し、中に入っていったため、結局声を掛けられなかった。
今度は歩いていてすれ違った女性に声を掛けようとして振り返るが、その女性の友達が現れ、結局またも声を掛けられなかった。
公園にやってきた絢は、池の畔にいる男の子に声を掛ける。「こんにちは」と声を掛けたが、その子のお母さんに呼ばれる男の子。更に「知らない人と喋っちゃダメと言ってるでしょう」とお母さんに怒られていた。(→またも失敗)
(中野駅)駅前にやってきた絢は雑誌を読んでいるフリーター風の男に「こんにちは」と声を掛ける。が、男は音楽を聴きながら雑誌を読んでいて、絢に気づかなかった。(絢の声が全く聞こえないほどの音量で聴いているにしても、影とか気配に気づくと思うんですけど...)
人の多い商店街を歩く絢。そこから脇道に入ると、人っ子一人いなかった。そんな道を歩いていく絢は一人で街を歩き続ける。そんな中、絢と同じようにチラシを貰えなかった女性の姿を見て、その女性と自分を重ね合わせ、自分を受け入れてくれると思って話しかけようと決めた。で、後をついていくと、ブティックの前で服を見ていた。横に並んで話しかけた絢だったが、その女性は彼氏と待ち合わせをしていて、丁度彼氏がやってきて、絢には何も言わずに行ってしまった。で、またも孤独を感じた絢だった。
夕方。町の電器屋さんの看板の所にやってきた絢は、いつものようにチラシを取る。「日替特売品 蛍光灯各種」と記されていて、それを見て笑顔になる絢。
蛍光灯を買ってきて、交換している絢。(やっぱり、漫画雑誌を積み上げたものを踏み台にしている。←やっぱり危ないですよ。転んで転倒したら、蛍光管が割れる可能性もあります。)交換した絢は、壁の赤いスプレーの跡にペンで「I was here」と書き込み、何度もそれを口にしていた。(「was」と言う過去形ですか。このアパートを離れる決心が付いたということですかね。)
で、全黒画面となって、エンドクレジットが『トウキョウノウタ』をバックに流れてました
次回の物語は「恋忍者☆服部絢蔵」という物語です。今月の4つの物語の中のコミカル編ということで「忍者」ということだが、かなりぶっ飛んだ所を魅せてくれそうで、楽しみです。でも、忍者装束って、「ケータイ刑事THE MOVIE 2」の雷零の忍者装束そのままですね。(雷お姉ちゃまの青い忍者装束を着ていたということで、お姉ちゃまのお下がり、と考えたりして...一方、零ちゃんの赤い忍者装束は八木小緒里が着ていました。そして、呪いの藁人形ですかね...)
壁の赤いスプレーの跡、次回の物語では穴が開いていたようですが、一体何をしたのでしょうか?手裏剣を投げたり、長ネギを刀のようにしていたりと、ハイテンションで暴れ回るようですけど...
「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせのバックの映像は、やはりいつもの高速道路と東京タワーを中心として夕景ということでした。今回は中野が舞台になっていたので、ひょっとしたらと思ったが、そうはなりませんでした。やはり、4月の「山下リオ」の時だけが特別だったんですね...
孤独を感じ、その世界にどっぷり浸かっている暗い暗い少女がヒロインの物語だったが、「孤独」という心を上手く表現していました。(演技の点では、しっかりと演じ切っていました。やっぱり、4月からのヒロインの中では、一日の長があります。)
今回の絢は、自分の殻に閉じこもってしまうという内向的で奥手という性格もありました。このままだったら「人間嫌い」になっちゃいそうだし、もう少し積極的にと思うのですけどねぇ...
今回は「東京」ということは意識して語られていないものの、都会ならではの「雑踏の中の孤独」ということを考えたら、これも一つの「東京」を舞台にした物語だったと言うことが出来るので、「東京少女」というタイトルに偽りはなかったですね。それにしても、どういう形で同じアパートの同じ部屋ということを考えたら描くのかと思っていたが、あのスプレーの跡を使うとは、やられました。これだったら、余計な説明やアパートの看板を出さなくても、(前回を見ていたら)分かります。見ていない人には全く分からないが、「分かる人には分かる」という「ケータイ刑事」の世界の延長線上にもあって、BS-iドラマらしい物語でもありました。
また、こういう暗い絢ちゃんを見たら、絢ちゃんには「エコエコアザラク」の黒井ミサを演じて貰いたい所です。(「恋日・ニュータイプ」の時、銭形よりも黒井ミサの方が似合っていると感じましたし...)
↓真っ先に思い浮かんだのは『孤独のメッセージ(Message In A Bottle)』でした。
↓その他の曲も
↓「エコエコアザラク」関係
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