ケータイ刑事銭形海20話(2nd.7話)[裏ネタ編] [ケータイ刑事]
今回の「銭形海[裏ネタ編]」は、通算では20話、2nd.シリーズ第7話「暗闇の殺人者! ~銭形海VS完全犯罪の男」についてということになります。(「銭形海」は全39話なので、丁度折り返しということになりますね。)今回は、劇中に出てきた「江戸川散歩賞」の元ネタである「江戸川乱歩賞」についてと、「芥ツ川賞」の元ネタである「芥川賞」について、そして江戸川散歩賞の選考委員長・縦溝清二の元ネタである「横溝正史」について記します。
尚、BS-iの本放送の時に記した長文&ネタバレあり版は「ここをクリック」してご覧下さい。(放送直後に記した感想版もここを経由してください。)
「江戸川乱歩賞」:推理作家・江戸川乱歩(1894~1965年)の寄付を基金として、日本探偵作家クラブ(当時)が探偵小説を奨励するために制定した文学賞である。(年に1回。)現在では推理作家への登竜門となっている賞である。また、受賞者には江戸川乱歩像と賞金1000万円が贈られ、受賞作品は講談社から出版されることになっている。また、1992年からは受賞作品が単発ドラマ化、若しくは映画化されるようにもなった。
これまでの歴代受賞者は蒼々たる顔ぶれであるが、落選者も凄い顔ぶれが揃っている。笹沢左保、夏樹静子、山村美紗といった有名推理作家も落選者である。
「芥川賞」:正しくは「芥川龍之介賞」と言うが、通称である「芥川賞」で通じる。(と言うより、正式名称がこれだと思っている人の方が多いのでは???)文学賞の1つであり、純文学の新人に与えられるものである。(対象は新人作家による発表済みの短編・中編作品)選考を行うのは文藝春秋社内にある日本文学振興会である。
1935年、芥川龍之介の業績を記念して、友人の菊池寛が創設したものである。(直木賞(正式名称は「直木三十五賞」)と共に創設された。)年に2回発表される。受賞者には懐中時計と100万円が贈られ、受賞作品は「文藝春秋」に掲載されることになっている。
この賞は、「新人」をどこまで言うのか、「短編・中編」とはどの程度の長さのものなのか、ということが度々議論されることがある。また、大衆文学の賞である「直木賞」との境界線も議論に上ることがある。(一応、それらしい基準はあるようですが...)
やはり、受賞者の顔ぶれは蒼々たるものである。(当然、最終候補に残ったものの、落選者というのも凄い顔ぶれである。)
最近では、2004年の綿矢りさの『蹴りたい背中』が最年少受賞記録を更新したということで話題になったのが記憶に新しい所である。
「横溝正史」:1902年、神戸市生まれ、1981年12月28日没。日本を代表する推理作家であり、名探偵・金田一耕助の活躍する推理探偵小説の生みの親である。その「金田一耕助」については、この後の物語に登場する銀田一ゴースケがそのパロディであるので、「ケータイ刑事」ファンであればお馴染みの名探偵である。が、横溝正史の小説に登場する探偵は、金田一耕助だけではなく、由利麟太郎、三津木俊助という探偵がいる。尚、金田一耕助が登場する作品は、長編、短編を合わせて77作品存在するとされている。
彼の処女小説は1921年の「恐ろしき四月馬鹿(エイプリルフール)」である。これは雑誌「新青年」の検証に応募した作品であり、入選作となった。一旦、家業の薬剤師となるが、江戸川乱歩の勧めで上京、1927年には雑誌「新青年」の編集長になる。やがて作家に専念することになり、戦前の代表作「鬼火」「蔵の中」「真珠郎」等がある。(※古谷一行主演のドラマ「真珠郎」には、金田一耕助が登場しているが、横溝正史の原作小説には金田一耕助は登場していない。)
戦後、推理小説を次々と発表し、1948年の「本陣殺人事件」で第1回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞している。そして、ここから金田一耕助が活躍する作品が次々と生まれていくことになる。また、金田一耕助が活躍する作品群は、映画、TVドラマなどで多数の作品が映像化されている。
余談だが、1979年の映画「病院坂の首縊りの家」(金田一耕助は石坂浩二、監督は市川崑)には、高村さんの草刈正雄さんも出演している。
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