「EIGHT MEN OUT」

表題の作品は1988年のアメリカ映画「エイトメン･アウト」である。日本では劇場未公開ということになったが、後に大きくブレイクする顔ぶれが集まっているということもあって、もっと注目されても良い作品である。物語は1919年のワールド･シリーズのブラック･ソックス・スキャンダルを題材にしたものである。実話を元にしたものであるが、野球を通しての男たちの友情の方に重きを置いて描いた作品であり、「ブラック･ソックス･スキャンダル」については本作によって知ることが出来る。ちょっと重苦しい所があり、「負」のイメージがあるために、劇場未公開になってしまったのでしょうね...

作品データを記しておくと、時間は119分、原作はエリオット・アシノフ、監督と脚本はジョン・セイルズ、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はメイソン・ダーリングである。そして出演は、チャーリー・シーン、D・B・スウィーニー、ジョン・キューザック、クリフトン・ジェームズ、マイケル・ラーナー、クリストファー・ロイド、ジョン・マホーニー、ドン・ハーヴェイ、マイケル・ルーカー、ナンシー・トラヴィス、ウェンディ・マッケナ、リチャード・エドソン、ジョン・セイルズ、ディック・キューザック、デヴィッド・ストラザーン、スタッズ・ターケル、ランドル・メル、たちである。

1919年、大リーグではシカゴ･ホワイトソックスがワールド･シリーズまで勝ち進んできた。対戦相手はシンシナティ・レッズであるが、ホワイトソックスの優勢が伝えられていた。で、迎えたワールド･シリーズ第1戦。ホワイトソックスはシンシナティ・レッズに惨敗を喫した。そして、シリーズはレッズの5勝3敗で、レッズがワールド･チャンピオンに輝いた。シリーズの前から囁かれていた賭博絡みの八百長疑惑がすっぱ抜かれ、全米を揺るがすスキャンダルになり...

この事件によって8人が、メジャーリーグから永久追放処分を受けることになった。また、この事件によってコミッショナー制度が導入されることになった（これらは野球ファン、特に大リーグ通にとっては常識です。）のはご存知の通りである。

「フィールド・オブ・ドリームス」も、この事件にスポットを当てた作品であるが、事件については特に触れいていないので、事件について知ろうというのであれば本作を、ということになる。スキャンダルを描いているが、選手たちの熱い友情のドラマはなかなか見応えがある。

野球映画では、夢を与えてくれる作品や、気持ちよくさせてくれる作品があるが、時には本作のような暗部を描いた社会派ドラマというのも悪くない。野球ファン、とくに大リーグ・ファンという方は、常識として知っておきたい内容であり、見ておきたい作品である。

 

エイト・メン・アウト

• 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
• メディア: DVD

↓一応、こちらもピックアップしておきます。

フィールド・オブ・ドリームス

• 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
• メディア: DVD