必殺仕事人2009 スペシャル [ドラマ]
帰ってきた必殺シリーズだが、まずはタイトルの「必殺仕事人2009」というのは、余りにも芸がないタイトルですね。一工夫欲しい所です。それと、「必殺仕事人30周年」って、確かに必殺シリーズ第15作の「必殺仕事人」は1979年スタートだから30周年だけど、中村主水が初登場したシリーズ第2作の「必殺仕置人」は1973年だから、36周年ということになるのだから、番組宣伝の方が少しおかしい気がする。
また、劇中では「暗闇仕留人」の主題歌だった『旅愁』と、「新・必殺仕事人」の主題歌だった『想い出の糸車』が使われていたが、『旅愁』はシリーズ主題歌の中でも大ヒットを記録した曲なのでともかく、「仕事人」であれば、『浜千鳥情話』や『さよならさざんか』あたりを使って貰いたかったところでした。(仕留人も新・仕事人も、中村主水は登場していた作品である。)また、今回の主題歌となる『鏡花水月』をアレンジした音楽をもっと使うべきでしょう。
物語の方は、必殺らしい時事ネタをベースに、高齢者医療制度をいじった展開というのは、必殺の本領発揮でした。でも、仕事人の紹介も兼ねているとはいえ、かなり冗長度の高い展開であって、けっこうアクビが出た物語でした。玉櫛の死に方は、仕事人ということではあまりにも情けなく、場違いの場面での死であり、らしくなかったですね。で、最後に取って付けたような妹・如月の登場は、今回のスペシャルではいらないものでした。登場させるなら、一工夫して貰いたかったところでした。
ただ、CM明けの所、いきなりドラマが再会するのではなく、やはり、必殺のロゴの入ったアイキャッチを出すべきでしょう。SPの2007もそうだったが、そういう細かな所への拘りがあるのが「必殺」なのだから、それを放棄していたら、正しい必殺シリーズとは言えません。
メンバー構成の方は、突きと紐の業を使う仕事人がいるのはいいが、主水と渡辺小五郎のキャラが完全に被っている所は何とかならないものですかね。(スペシャルだったらいいが、連ドラとなると、これはかなりキツくなりそう...)主水の方が、以前にも増して、かなりセコイ殺し方になっているだけに、小五郎がしっかりとした殺陣を見せてくれたら、キャラとしての生きる道はありますけど...
また、仕事人のメンバーには、やはり力業系の殺しを行う仕事人が欲しいところである。3人ならばともかく、4人いたら、主水と小五郎のように完全に被るキャラを登場させるのではなく、やはり別系統が欲しいところである。また、菊には、もう少し加代のような所が欲しいところでもあるが、お玉のような役回りもさせるようですね。キャラの位置づけとして中途半端にならなければいいのですが...
↓「旅愁」「想い出の糸車」はこれに揃って収録されています。
必殺シリーズ完全闇知識 瞬間の愛編 (ザ・テレビジョン文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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