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東京少女・日向千歩#5「エレベーター少女」 [ドラマ]

日向千歩の最後の物語は「エレベーター少女」という物語で、ロリータ・ファッションというちょっと引いてしまいそうな役を演じた物語でした。コミカルな展開となって進んで行くが、長年対立していた姉妹のわだかまりを解消することになった、ちょっと良いお話でした。

また、舞台がエレベーターの中だけということで、ミステリーの世界では傑作が多い「クローズド・サークル」という状況下での物語でした。→何らかの事情で外界と断絶した状況下での物語だったので、「クローズド・サークル」の要件は満たしているが、そこで(殺人)事件が起こるのが「クローズド・サークル」なので、「事件」と言うことがなかったので、そうは言えないが、一応は長年のわだかまりが氷解するということでは、これも一応「事件」(当人にしたら大事件でしょうし...)と考えると、一応「クローズド・サークル」の要件は満たします。→「クローズド・サークル」という形の物語は、登場人物のキャラ次第で、傑作にも凡作にもなるが、この物語はキャラがしっかり描けていたので前者です。

ただ、こういうことは「東京」でなくて、エレベーターがある所であれば、世界中の何処でも起こりえるだけに、「東京」ということは完全に置き去りにされていました。

それにしても、今回の日向千歩は、外見といい、台詞の言い方も水野真紀にそっくりということで、水野真紀の若い頃と言っても疑われないかも...???なんて思ってしまいました。また、それを意識したのか、役名が「水野チホ」ということで「水野」姓だったというのは、やっぱり狙っていたのでしょうね。(それ故、一段と水野真紀のことが頭に浮かびます...)

あるビルのエレベーターに乗った女子高生・水野チホ。ロリータ・ファッションに身を包み、人形のような格好をしている。階数表示が上昇していくのを見ていたチホ。時間にうるさい父が待っている上の階のレストランに向かう所だった。(月に一度の家族行事の食事会。)が、突然エレベーターが停止してしまった。で、困惑するチホ。そのエレベーターに乗り合わせたサラリーマン風の男・安東が「こういう時は非常ボタンを押せばいい」と言って、彼が非常ボタンを押し、外部に連絡しようとする。が、反応がない。で、必死になって外部に連絡しようとする安東。

もう1人、エレベーターに乗り合わせた女・美穂が「五月蠅いわね」とクレームを付ける。チホは父が時間にうるさく、少しでも遅れると凄く怒られる、と言って泣きそうな表情を見せる。で、安東も「僕も時間に厳しい取引先だった」と言うことを思いだし、慌てて必死になって外部にエレベーターが止まっていることを訴えようとする。

これに美穂がまたもクレームを付ける。(実に冷静というか、何というか...)で、安東に文句を言い始める。その間にチホは携帯で父に連絡しようとするが「あっ、ダメだわ」とベソをかいて「パパもママも、レストランでは電源を切っているんです」と言う。で、安東も携帯で取引先に電話を掛けるが、留守電になっていて、連絡が取れなかった。

安東は美穂に、待ち合わせの相手に連絡を取るように頼むが、美穂は「無駄」と言った。何とか連絡を取ってくれるように安東は懇願し、美穂はメールを送った。するとチホの携帯にメールが届いた。それを読むチホ。「このバカ男を黙らせろ」すると安東に向かって「失礼ですよね。そっちこそ黙ってろ、と返しますから」と言ってメールを返した。

安東は「えっ?何で?」と訳が分からない。美穂は「待ち合わせの相手に連絡しろって言ったでしょう」と言う。チホと美穂は家族だった。が、チホと美穂は相手のことをボロクソに言い始めて、口喧嘩となってしまった。

そんな中、「どなたかエレベータの中にいらっしゃいますか?」と外部と連絡が取れた。で、チホと安東は必死になって訴える。が、「もうしばらくお待ち下さい」という言葉が返ってくる。「どのくらい?」とチホが尋ねると「30分ぐらい」という返事。これに美穂がキレて「冗談じゃないわよ、さっさと直しなさいよ」と食ってかかった。

そんな所にチホがメールを送った。「努力するっておっしゃってるでしょう。大人げないから黙ったら如何?」これに美穂はメールを返した。「そもそもあんたが家出るの遅いからでしょう」ということで、メールを使った喧嘩となる。チホと美穂は姉妹なのに、何年も前から直接口を聞かず、メールで伝え合っていたのだった。で、呆れかえってしまった安東だった。

エレベーターに閉じ込められた3人。そんな中、チホのお腹が鳴った。安東も昼食を食べ損ねたと言って、2人は空腹を感じていた。そんな安東が美穂を見ると、チョコレートを口に入れようとしていた。美穂は口に入れると、安東は「流石です。日頃の備の違いですね。いつ何時、こういう事態が起こるかもしれませんからね」と美穂のことを持ち上げるるが、チホは「意地悪なだけですよ。魔女みたいな人なんです」とボロクソに言い始める。安東はチホを宥めようとする。そんな時、美穂がチョコを1包、安東に出した。で、それを受け取って口に入れようとするが、チホがそれを見ていた。で、安東は口に運のを止めて「どうぞ」と言ってチホに渡そうとする。が「結構です」と断るチホ。(魔女の食べ物、ヘンゼルとグレーテル、という言葉が出てきたが、これはなかなか上手いものを引っ張ってきました。)すると安東は「僕一人だけ頂く訳にはいきません」と一致、チョコを美穂に返した。チホは「魔女め」と呟いていた。

微妙な空気が漂うエレベーターの中、安東は「何かの縁でこうして集まったんですから、何か話ししませんか」と提案する。で、面白い話というとで、美穂が語り出す。が、それはチホのことをバカにしたものだった。これにチホが美穂のことをバカにした話で応戦した。で、重苦しい空気が漂うことに...

安東は「今日はとことんつきあいます」と言ってチホと美穂が何で仲が悪いのか、話し合おう、と提案する。すると、美穂が、大学入試の日、目覚ましを遅らされたことを語った。が、チホがそれより前に目覚ましを遅らされたと返す。で、美穂が返し、チホがそれに返すということで、喧嘩は続く。安東は「もう分かりました」と言うが「本のさわりしか話していないけど」と美穂。

安東は「喧嘩にはきっかけってものがあるじゃないですか。最初は何だったんですか?」と問う。が、美穂は「さあね」と言うと座り込んで寝ようとした。で、チホが「一番最初は...」と言い出して、「私が生まれたことです」と口にした。(ここでAパート終了、経過時間は11分に僅かに届かないところで、Bパートは15分とちょっとということになります。)

安東はチホの言葉の意味を尋ねた。(美穂はいつしか寝ていた。)で、チホは語り始めた。5才の時、美穂が自分を遊園地に捨てて帰ろうとしたことだ、と話し始め、その時のことを詳しく語る。安東は「記憶違いじゃありませんか」と問い返すが、チホはその話を打ち切ると、「サラリーマンさんの話しを聴かせてください」と話題を変えた。

安東は腰を下ろすと、「失敗ばかりしているダメなサラリーマンです」と言って、失敗談を語り始める。コピー機のリース会社に勤めている安東は、このビルのある会社に先日、新製品の使い方の説明を間違えてしまい、クレームが入った。で、そのことを謝りに来たのだった。で、その話をしている内に、安東の待ち合わせ相手とチホの父が同一人物だということが分かる。すると「今更なんですが、お名前は?」とチホに尋ねる安東。これに「水野チホです」と答えた。

安東は土下座を始めて「申し訳ありません」と謝り始めた。更に言葉遣いも丁寧なものに変わった。そんな中、先日、飲みに連れて行って貰った時のことを話し始めた安東。が、「家族の話」と口にすると、止まってしまった。

チホは「お聞きになったんですね。私と姉が、血が繋がっていないこと」と言って語り始める。美穂は父の連れ子で、本当の母は病気で亡くなってしまい、父は再婚し、それからチホが生まれたのだった。で、チホは、父も母もチホに取られてしまうと美穂が思ったので自分を捨てようとした、と口にした。が、安東は「そうでしょうか。もしかしたなんですけど...」と言って、「入らなかったんじゃなくて入れなかったんじゃないですか」と言って、「もしかして姉さんは...」とある可能性を口にした。

その時、「ご迷惑をお掛けしております」と、外部からの声がした。約30分が経過していたのだった。が、道路が混雑していて、修理の者が到着するのにあと20分ぐらいかかる、と伝えた。すると寝ていた美穂が立ち上がり「冗談止めてよ」と激しい剣幕で食ってかかった。「30分だと思ってたから我慢してたのに、あと20分。無理、絶対に無理」とパニックになる。何とか宥めようとするチホだったが、それを見た安東は「やっぱり」と口にした。

美穂は閉所恐怖症で、小さい頃から狭い所に入るとパニックになる、と言い、チホが話した過去のことも閉所恐怖症のため、更に、ここに30分閉じ込められると分かった時も普通じゃなかったと気づいていた。これにチホは「知らなかった」と口にした。美穂は「そんな大したもんじゃないよ」と言った。美穂は親に口止めしていたのだった。チホが生まれた時、頼りになるお姉さんになるぞ、妹は姉の自分が守るんだ、と思ったが、閉所恐怖症が知られるとかっこわるいということと、やることなすこと全て裏目に出てしまい、言い出せなくなっていたのだった。そして「本当はあんたが生まれて凄く嬉しかったんだって。あんたのこと、邪魔者だなんて思っていないよ」と素直に言うと「ご免ね、今まで」と謝った。

それを聴いた安東は更に、水野に飲みに連れて行って貰った時「家の娘たちは、本当は凄くお互いを思い合っているんだって。ただちょっと素直じゃないだけなんだって」と聞かされたことを口にした。これを聴いたチホは「ねえ、お姉ちゃん。覚えてる?」と言って、(5才の時の)遊園地に行く少し前の(チホの)誕生日の時に、凄く可愛い人形を貰い、その人形が着ていたドレスが素敵で、母におねだりして同じドレスを作ってもらった。で、その時「似合ってるね」と美穂が行ってくれたことを「忘れてると思うけど」という言葉を添えて口にした。そして、それが嬉しかったので、その服ばっかりを着るようになったのだった。(痛い人になっているということも分かっていた。)

美穂は「覚えているよ」と言うと「あのドレス。凄く良く似合ってた。今だって似合ってるよ。また確かに痛いけど...」と続けた。で、チホと美穂は一気に雪解け状態になった。チホは今でもお姉ちゃんが好きだと思っている、仲良くできればいいと思っていたと口にすると「こっちこそ、今まで...」と行って謝ろうとする。

その時、外部からの連絡が入った。(ここからキャスト、スタッフのテロップが右から左に流れ始め、インストの『イケナイ恋』が流れ始める。)「お待たせいたしました。復旧作業が終了いたしました。これよりエレベーターが上昇いたします」と伝え、止まっていたエレベーターが動き出した。これに安東は「もう、良い所だったのに...」と漏らし、チホは「エレベーターさん、直っておめでとう」と口にした。が、美穂はチホに「今、何か言いかけたよね。謝りかけたよね、私に」と言うが、チホは「えっ、何のこと、チホ分かんない...」と惚けた。で、美穂は自分だけ謝らせてずるい、と言って怒り出し、再び喧嘩が始まる2人だった。で、チホは携帯を手にすると美穂へのメールを打った。「今までごめんね。」で、笑顔を見せていたチホだった。

次回からは真野恵里菜がヒロインとなって「東京少女・真野恵里菜」となります。最初の作品は「10才のあたし」と言う物語です。自分が17才になっていることに驚き、10才だと思っていた少女の物語ということで、普通に思うと何らかの病気でということが考えられるが、そうストレートにいくでしょうかね?だからと言ってファンタジックなものになるとも思えないし... 佐々木浩久監督作品でもあるので、ちょっと期待します。

次回予告を見た範囲では、「10才」と言うのはどうかと思うが、童顔であどけなさがあるだけに、ちょっといい感じの物語になってくれるかもしれませんね。

「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせのバックの風景は、いつも通りの「高速道路と東京タワーを中心としての夕景」でした。

前半はコミカルな方向に進んでいくということで、クローズド・サークルの常識を打ち破るドタバタ・コメディの気配を見せておいて、更新は一気に姉妹の冷戦に幕が下りるという展開って、やってくれましたね。前半のコメディ調が無かったら、こういう物語ってとても重苦しいものになってしまうだけに、見やすいものになっていたのは良い所でした。(が、もう少し重みがある描き方も出来るだけに、コスプレを無くしてシリアスなドラマにしても、違った味が出る物語になったでしょうね。)

「東京少女・日向千歩」は彼女の変な顔が毎回のお楽しみであったが、その集大成というのがあのロリータ・ファッションというように考えたら良いんでしょうかね。変な顔とあのファッションは、これまでの9人のヒロインの誰よりも強烈な印象を残してくれました。(これまでも、何人かは奇抜なファッションを見せたヒロインはいるが、日向千歩のように変な顔までは見せていませんし...)

ただ、今回は(昔の)水野真紀と言うように見えたんですけどね。→徳島出身の日向千歩と、東京出身の水野真紀。が、水野真紀は現在は坊国会議員夫人となって、徳島県在住であるだけに、「徳島繋がり」があると言っていいでしょうし、それを思うと裏の方にたっぷりと仕込まれている物語だったと言えますね。→そのうち、日向千歩は「水野真紀の魔法のレストラン」(4月の番組大改編後、別枠に移行して存続するとのこと。ただ、MBSの「オーサカキング」が去年で終了というのはちょっと残念...)のレギュラーになったりして...???

 

↓一応、こういうものを...

イラストでわかる建築電気・エレベータの技術

  • 作者: 中井 多喜雄
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 単行本

崩壊した神話 エレベーター 安全を守るのは誰か?

崩壊した神話 エレベーター 安全を守るのは誰か?

  • 作者: 宮内 明朗
  • 出版社/メーカー: 丸善プラネット
  • 発売日: 2007/08/08
  • メディア: 単行本

死刑台のエレベーター (創元推理文庫)

死刑台のエレベーター (創元推理文庫)

  • 作者: ノエル・カレフ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2000
  • メディア: 文庫

 

↓「クローズド・サークル」の傑作と言えばこれですね。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫

そして誰もいなくなった[DVD]

そして誰もいなくなった[DVD]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: コスミック出版
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本
↓これをピックアップしておきます。
水野真紀の魔法のレストラン DVD-BOX

水野真紀の魔法のレストラン DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
  • メディア: DVD

Maki’s魔法のレストラン (クリエテMOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: クリエテ関西
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本
水野真紀お菓子工房へようこそ!

水野真紀お菓子工房へようこそ!

  • 作者: 水野 真紀
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: 単行本
水野真紀のカンタンお菓子作りレッスン―お菓子作りの基礎がわかる一冊! (主婦の友生活シリーズ)

水野真紀のカンタンお菓子作りレッスン―お菓子作りの基礎がわかる一冊! (主婦の友生活シリーズ)

  • 作者: 水野 真紀
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
こちら本池上署 DVD BOX

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  • 出版社/メーカー: TBS
  • メディア: DVD
虹の橋 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD

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