名曲探偵アマデウス#27 サン・サーンス「組曲・動物の謝肉祭」 [ドラマ]
事務所が貧乏と言うことを強調した今回の物語は、コメディ色を強くした物語であるが、取り上げられた曲がサン・サーンスの「組曲・動物の謝肉祭」ということで、バラエティに富んだ曲にあった楽しい物語となっていました。
冒頭、暖房も入っていない事務所で、寒作に凍えて震えながらババ抜きをしているカノンさんと所長。「寒い」というのなら、コートを着て、マフラーを巻いて、と言うことにしたらいいのに、意外と薄着でいます。で、体を温めようとして、運動をすることを思いついたカノンさん。で、所長と一緒に体を動かすために(狭い)事務所の中を駆け回る。っと、本当に楽しいカノンさん。そんな所に依頼者がやってきて、一言二言お小言を。これに「余計なお世話ですよね」と、口では黙っていないカノンさんでした。
大空小空学園の理事長が依頼者で、学園で異変が起き始めたということでした。校長が階段から転げ落ちたと聴くと「死んじゃったんですか?」と結構キツく尋ねるカノンさん。(大きなコブが出来ただけということでした。)相変わらず、豊かな表情を見せてくれます。
依頼者に「当てずっぽうみたいなこといわない」と窘められ、「どうせこれまでの人生もヤマカンだけで凌いできたんじゃないですか」と言われると「大当たり」と、実に素直なカノンさんでした。(ノリで勝負の現代っ子、という設定をしっかりと活かしていて、楽しい所です。)
今回、初めて知ったのは、「象」の楽譜に楽しい仕掛けがある、というのは面白いところですね。こういうのって、譜面を見ないと分からないものであり、CDや演奏会で聴くだけでは分からないので、製作者サイドの遊びということになるが、こういうのがあるものはとても楽しいものになるものです。(本作もそうですし、「ケータイ刑事」もそうです。)しかも、「パロディ」まで入れているなんて、もう本当に凄いです。→「パロディ」というのは、元ネタに対して十分な知識があってこそ成立するものである。日本ではパロディに関しての評価が低いが、これって文化が低いということの証でしかないのですよね...
今回で印象に残った演出が見られたのは、所長、カノンさん、依頼者の3人がぐるぐると輪のように回っていくという所です。これは、黒川さん出演作ではないが「銭形愛・20話」や「銭形雷・2nd.5話」などでも見られた演出でもあり、連続して続いていくという表現でもあるが、面白いことを殺ってくれるものです。更には「早送り」と「スロー」の両方で回っているというのも見せたが、「スロー」の方は人間スローモーションとして、映画「0093女王陛下の草刈正雄」でも見せた楽しいものです。→やっぱり黒川芽以さんの過去の出演作をどこかで意識している演出でもあります。
ドラマ部分は37分弱ということで、いつもよりも長めでもあった。ということで、今回はたっぷりと見せてくれたドラマでもありました。で、曲の方は約6分ということだったが、3曲(いずれも途中まででした)が聴けたというのは良かったですね。ON AIRされたのは、第1曲「序奏とライオンの行進曲」、第12曲「化石」、第13曲「白鳥」でした。
ラストのオチの所で、カノンさんは「私を動物に例えたら?」と所長に尋ねていたが、所長は鳴き声をやっていたが、それに対して「新種の動物?」「エンゼルフィッシュ?」とツッコみ、「可愛いようにして下さいよ」と言っていたカノンさん、やっぱり口では負けないで頑張ろうとするのは楽しい所でした。尚、カノンさんを動物に例えると、ということだが、「銭形泪・1st.5話」で五代さんが口にして、泪ちゃんもそのポーズをしていた「ウサギ」ということでよろしいんじゃないかと...
次回(2/14)のBS-hiは、事件ファイルNo.028・ドビュッシー「組曲・牧神の午後ヘの前奏曲」ですが、その次の新作の放送は3/7ということで、またまた待たされるということになっちゃいます。
そんな中、4月からも番組が続くということと、地上波でも放送が始まるという、嬉しいニュースがありました。(地上波放送で視聴者が増えるのは良いことです。やっぱりファイルNo.001から放送するのでしょうね。筆者はBS-hiで見続けますが...)
- アーティスト: アルゲリッチ(マルタ),バシュキローバ(エレナ),クレーメル(ギドン),リド,メシュビッツ,ツィンマーマン(タベア),ポーシュ(アロイス),マイスキー(ミッシャ),ヘルトナーゲル(ゲオルグ),ブルンナー(エドゥアルト),グラフェナウアー(イレーナ)
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1998/04/25
- メディア: CD
- アーティスト: バレンボイム(ダニエル),リテーズ(ガストン),ロジェ(パスカル),パリ管弦楽団,アルゲリッチ(マルタ),パールマン(イツァーク),フランス国立管弦楽団,シカゴ交響楽団,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/03/23
- メディア: CD
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