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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その101) [ケータイ刑事]

今回とりあげる「ある物」は「マスコミ」です。(ただ、これだと「物」とは言えないので、「マスゴミ」という側面があるマスコミということにします。※「マスゴミ」とは、「マスコミ」の中でも、伝える情報に価値が無く、ゴミと同じ様な情報しか発信しないマスコミのこと。これだったら「物」という扱いでよろしいかと...)で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「・2nd.26話」(=「アナザーストーリー・4話」)、「007」からは「ドクター・ノオ」と「トゥモロー・ネバー・ダイ」の2本とします。

ケータイ刑事」:「・2nd.26話」。サブタイトルは「最終決戦!ケー刑事VSシベ超 ~水野晴郎を迎撃せよ!」という物語であるが、全4話の「アナザー・ストーリー シベリア超特急刑事」としての第4話でもある。(「銭形泪」の最後の物語でもある。)

ここでは、映画評論家の水野晴郎先生が殺されたと考えるちゃんに対して、水野先生のマネージャー・富ヶ谷美香子がマスコミを集めてけしかけて、ちゃんが質問攻めに遭うことになる。殺人事件と考える泪ちゃんに対して、そういう関係の質問が飛ぶのは良いとしても、「『シベ超5』は公開されるんですか?」という公開直前という映画についての質問をしていた記者がいたが、その質問は質問相手を間違えている。(ちゃんではなくて映画会社に行うべきものである。)ということなので、この質問をした記者はマスコミではなくて「マスゴミ」ということが出来る。→別の意味では、「マスゴミ」の実体を上手く描いていたと言うことが出来る。(要するに、全ての報道機関が「マスゴミ」ではなく、「マスコミ」の顔をした中に「マスゴミ」が紛れているということであり、実体を上手く描いていました。)

結局、ちゃんはマスゴミの質問には答えず(答えられず)、美香子が「ちゃん、ピ~ンチ!」と煽ったが、それに乗ることはしなかった。(やり過ごしたということになる。)で、「大本営発表!」と閣下からの着信が入り、ヒントを掴み、窮地を切り抜けることになった。

007」:「ドクター・ノオ」。1962年のシリーズ第1作である。(当然)、ボンドは初代のS・コネリーである。

この物語に登場したマスコミ(マスゴミ)は、ジャマイカにやってきたボンドを追う秘密の写真家であり、フリーのジャーナリストの女性である。ジャマイカのキングストン空港に到着したボンドの姿をいきなり写真撮影を行い、ボンドには「デイリー・グリーナー」という新聞社で働いていると言っていたが、この新聞社がどういう新聞社であるのかは不明である。

ボンドは彼女の美貌に惑わされることなく、カメラからフィルムを抜き取り、日に当てて処理すると、そのまま立ち去った。→ボンドがこういう行動をしたことから、今で言う三流ゴシップ誌だと考えて良いでしょうね。(だからこそ「マスゴミ」である。)

現在だと、カメラもデジカメが主流になっていて、撮影データも簡単に他に送ることが出来るようになっているが、当時はフィルムカメラしかない時代だったので、ここでボンドが行ったような対処で簡単に処理できたのですよね。また、撮影時にストロボを焚いていたので、撮られた方も直ぐに気づくということで、実に長閑な時代でもありました。

007」:「トゥモロー・ネバー・ダイ」。1997年のシリーズ第18作で、5代目ボンドの第2作でもある。

この物語の敵は、イギリスと中国を対立させて第三次世界大戦を勃発させ、そのスクープ・ニュースを流し、世界を牛耳ろうとしたメディア・グループである。自分たちで戦争となるように仕組み、それをスクープしようというのだから、事実を報道するマスメディアとしたら、許されざる悪だくみである。つまり、そんなマスコミは存在している価値はない。ということで、これは完全なマスゴミである。(事情を知らなければ、一大スクープということになるが、自分たちで仕組んでいたら、見せかけのスクープも簡単である。)

中国の国外保安員・ウェイ・リンと共に、ボンドによってその野望は潰されたが、その最期は、自らが使おうとした兵器・シードリルで粉砕されるという惨めなものであった。

共通点は、「マスコミ」と「マスゴミ」の違いを上手く捉えて、それを劇中に登場させ、それぞれ上手く対処していたという所である。尚、ここに取り上げたそれぞれの「マスゴミ」としてのレベルは大きく異なっているため、その対応内容が異なるというのは当然である。(害にならない程度のもの(「ドクター・ノオ」)であればさらりと躱して問題となるフィルムだけを消してしまうという簡単なことで済ませ、世界を戦争に導くという問題となるレベル(「トゥモロー・ネバー・ダイ」)であれば、その野望を潰すために戦い、質問レベルが低くて事件には直接関係ないもの(「ケータイ刑事」)であれば関わろうとしない、という対処方法。)ここでは作品の枠を越えて、異なるレベルの「マスゴミ」が揃うことになったが、それぞれ見事であったと言える。(特に、「007」の間のレベルを埋める様になった「ケータイ刑事」はこの3つの中でも最も時間的に新しいものであるが、同じレベルのものを扱うのではなく、異なるレベルのパターンを引っ張り出して「007」の物語での「マスゴミ」を補間するように描いたのは見事である。→傑作は同じような所が生まれるが、互いに補間し合うということになるのも「傑作」だからこそ起こる事象の一つである。)

尚、MI-6も警視庁も、ある意味では「マスコミ」と持ちつ持たれつの関係であって、協力するという場合も(他の物語で)見られるが、名前だけが「マスコミ」であって、どうしようもない存在の「マスゴミ」に対してだったら、適当に躱すと言うことで、全く問題はないでしょうし...

次回からは、少し趣向を変えて、新たな切口で類似点について語って行くことにします。どういうものになるのかはお楽しみに。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

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ドクター・ノオ [Blu-ray]

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ドクター・ノオ (アルティメット・エディション) [DVD]

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↓参考まで

マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する

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  • 作者: 日隅 一雄
  • 出版社/メーカー: 現代人文社
  • 発売日: 2008/04/25
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