LIONEL RICHIE『BACK TO FRONT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1992年にリリースされたベスト盤である。元COMMODORESのメンバーである彼は1982年に脱退してソロ・シンガーとして活躍し、'80's初頭の第二次ブリティッシュ・インベージョンの波でUK勢が席巻するアメリカ・ミュージック・シーンにおいて、アメリカの雄としてヒット曲を連発して「ミスター・アメリカン」と言われたシンガーである。(発表したシングルが13曲連続で全米TOP 10入り、その内5曲が1位を獲得、4曲がTOP 5入りしている。)そんな彼の'80'sのヒット曲を集めたベスト盤ということで、'80's前半のアメリカ・ブラック系ポップミュージックの歴史でもある内容と言っても問題はないものになっている。
本アルバムはイギリスではNo.1を獲得しているが、アメリカではBillboardのアルバム・チャートで最高位19位、1992年の年間アルバム・チャートでは100位にランクインしている。
収録曲は以下の全16曲である。『Do It To Me』『My Destiny』『Love, Oh Love』『All Night Long (All Night)』『Easy』『Still』『Endless Love』『Running With The Night』『Dancing On The Ceiling』『Sail On』『Hello』『Truly』『Penny Lover』『Stuck On You』『Say You, Say Me』『Three Times A Lady』。
最初の3曲は本アルバムに収録された新曲であるが、それ以外はCOMMODORES時代のヒット曲を含んでいて、貴重である。当然のことながら、彼の放った5曲の全米No.1ソングは全て収録されているが、COMMODORES時代の全米No.1ヒット曲『Still』や最高位4位の2曲(『Easy』と『Sail On』)も忘れない所が心憎い所である。
お薦め曲は全部と言っておくが、『Endless Love』や『Hello』『Truly』のようなバラード・ナンバーから、ポップでダンサブルな『All Night Long (All Night)』『Running With The Night』『Dancing On The Ceiling』まで、聴かせる所は聴かせ、楽しませる所は楽しませるというように、たっぷりと彼の歌声を堪能できるところである。
今年3月に最新アルバム「JUST GO」(UK先行発売、アメリカは5/19発売)を発表した彼であるが、やはり最も輝いていた'80'sの彼を抜きにすることは出来ない所である。全米No.1を獲得した2枚のアルバムと、最高位3位を記録した3枚のソロアルバムをそれぞれ聴くのも良いが、その中からの凝縮された美味しいところを堪能出来るということで、手元に置いておきたいアルバムである。
でも、これでも何曲かの全米TOP10ヒットを記録したシングルが省かれているという所が残念な所なんですけどね...
バック・トゥ・フロント/ライオネル・リッチー・グレイテスト・ヒッツ
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2004/10/21
- メディア: CD
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