SSブログ

名曲探偵アマデウス#38 フランクの「バイオリン・ソナタ イ長調」 [ドラマ]

6月の新作は2本だけであり、今回の物語で今月の新作は終わりです。(4月からの3ヶ月では13週で8本ということになりました。)取り上げられたのは フランク「バイオリン・ソナタ イ長調」です。物語の方は、依頼人が幽霊かも知れない、ということで、今までのどの物語とも違うものとなっていました。→本番組は「クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス」というのが正式なタイトルであるが、「ミステリー」という所が前面に出た物語であって、こういうものが登場することを期待していたのだが、それが実現したということですね。

しかも、演出の方も、今回は少し凝っていて、光を上手く使った演出はなかなか見応えがありました。光って、あって当たり前だが、それを効果的に使い、明と暗を上手く使うと、実に栄える映像が得られるのですよね。(白黒時代にはこれを上手く使った名画がたくさんありますし、ドラマでも「銭形愛」が光を上手く使った演出がたくさんあります。)が、多用しすぎるとつまらなくなってしまい、同じ演出を何度も繰り返したダメにしている作品が多すぎる。名画と言われる作品や「銭形愛」、そして今回の物語は、ここぞという時にだけ凝ったライティングの演出を使っているから、栄えるのです。ということで、ある意味では演出の教科書にもなり得る物語でした。

突然姿を現した依頼人。記憶を失っているということで「警察へ」と言うカノンさん。が、ある曲を口にしたことで、所長がその曲の謎を明かしていくということで、記憶を取り戻すことになるかも知れないとして、曲の解明が始まる。→「警察」と言うカノンさんもカノンさんだが、所長も所長で力になろうとするのだから、このコンビは面白いですね。

曲を聴いていくと、部分的に記憶を取り戻していく依頼人。が、「襲われる」「ロープで繋がれている」という言葉から、誘拐されたのではないかと考える所長とカノンさん。これで「やっぱり警察に」と口にするカノンさんが面白い所です。

そして、更に先に進んでいくと、登山仲間あること、手に持っているのはピッケルだったということを思い出す。(で、「よかった」とカノンさん。)

最終的に、記憶を取り戻して「めでたしめでたし」となった所で、悦に入る所長とカノンさん。(光の演出が見事でした。)が、依頼人の姿が消えていた。キツネに摘まれたような表情をするカノンさんということで、カノンさんの豊かな表情はいつもの通りで、たっぷりと見せてくれました。

曲の解説に関しては、以前にも「属九の和音」については語られたことがあったが、違う曲で、しかも雰囲気も随分と異なる曲で解説されると、また違った味わいがあって、クラシック音楽の奥深さを感じるところでした。

尚、今回は曲を聴いて「眠くなる」という部分が途中に出てきたが、この曲の浮遊感という不安定さが眠くさせてしまうのでしょうね。不安定さ、不安感から眠くなるというのも分からないでもないところでした。また、「クラシックは眠くなる」と口にする人は、こういう曲を(クラシック音楽では)最初に耳にしているのかもしれませんね。

今回のドラマ部分は33分強、曲の演奏は10分弱、ラストのオチが1分弱という構成であり、曲の部分が最近の物語にしたら、やや長めでした。

ラストのオチの部分は、カノンさんが締めくくってくれる。あれから数日後、依頼人についての新聞記事で、全ての真相が明らかになる。依頼人はK2登頂(世界最高峰のエベレストにしないというのもポイントですね。)に挑んだ登山家の沢野井昇であり、木下と一緒に登頂に挑んだが、記憶を取り戻していく過程で述べられた通りの事故があったものの、一人で登頂に成功した。が、そこで記憶を失ってしまった。夢の中で木下が揺り起こしてくれて、奇跡的に生還したのだった。また、フランクの「バイオリン・ソナタ」は木下の好きな曲ということでした。

ということで、ラストはファンタジックな物語を彩ることになり、なかなか良い物語でした。途中では「殺人?」という方向に持っていこうとしたりして、内容の方も色々と楽しめたものとなっていたこともあって、内容の濃い物語に仕上がっていました。(光の演出も良かったですね。

今回がNo.038ということで38本目となるが、内容的にも幅が広く、ちょっと良いお話ということでは、確かに異色作ということになるが、「起承転結」ということを考えると、実に上手い物語でした。(徹底したコメディに走った物語とは違う別の面白さのある物語でした。)ただ、今回の曲は、じっくり聴こうとすると、睡魔に襲われてしまうのは変わらないと思いますが...

次回(来週)はファイルNo.033・モーツァルト「交響曲第41番『ジュピター』」の再放送です。(本放送枠での再放送ということでは、これも順番通りということになりますね。)その翌週(7/5)はファイルNo.039・スメタナ「連作交響詩「わが祖国」より」、7/12はファイルNo.040・ドビュッシー「月の光」と続きます。また、今回のファイルNo.038・フランク「バイオリン・ソナタ イ長調」は、BS-hiの再放送は6/23(火)朝と7/4(土)昼です。(6/27は大リーグ中継のため、お休みです。)また、BS-2では6/26(金)朝、地上波(総合テレビ)では7/3(金)午後の放送予定です。

 

フランク:ヴァイオリンソナタ

フランク:ヴァイオリンソナタ

  • アーティスト: ミンツ(シュロモ),ラヴェル,フランク,ドビュッシー,ブロンフマン(イェフィム)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD

フランク:ヴァイオリン・ソナタ

フランク:ヴァイオリン・ソナタ

  • アーティスト: ラヴェル,フランク,ドビュッシー,デュメイ(オーギュスタン),ピリス(マリア・ジョアン)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD
フランク:ヴァイオリン・ソナタ

フランク:ヴァイオリン・ソナタ

  • アーティスト: ボベスコ(ローラ),ドビュッシー,フランク,フォーレ,ジャンティ(ジャック)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD
フランク:ヴァイオリンソナタ

フランク:ヴァイオリンソナタ

  • アーティスト: デュメイ(オーギュスタン),フランク,コラール(ジャン=フィリップ)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: CD
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 他

フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 他

  • アーティスト: 永井幸枝(P),Yukie Nagai
  • 出版社/メーカー: Bis
  • 発売日: 2002/02/04
  • メディア: CD
フランク:ヴァイオリン・ソナタ

フランク:ヴァイオリン・ソナタ

  • アーティスト: 植村菜穂,フランク,藤井一興
  • 出版社/メーカー: マイスターミュージック
  • 発売日: 2000/07/24
  • メディア: CD
↓一応、これも拾っておきます。
ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
↓カノンさんは...
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。