MANHATTAN TRANSFER『EXTENSIONS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼らの4枚目のスタジオ・アルバムである。ジャズ系のコーラス・グループである彼らであるが、このアルバムはロック系の血筋とフュージョンの色合いが強く出ていて、彼らのアルバムの中では異質なものであるが、折りからのディスコ・ブームと、ポップでテンポの良いフュージョン系のサウンドがマッチして、大ヒットを記録したアルバムである。彼らのアルバムの中ではサウンド的には異質であるが、彼らのキャリアの上では忘れてはならないアルバムである。
尚、アメリカではBillboardのアルバム・チャートで最高位55位を記録し、イギリスでも最高位63位を記録している。(ジャズのアーティストがこの成績を記録したというのは異例の大ヒットである。)
収録曲は以下の全9曲である。『Birdland』『Wacky Dust』『Nothin' You Can Do About It』『Coo Coo-U』『Body And Soul』『Twilight Zone/Twilight Tone』『Trickle Trickle』『Shaker Song』『Foreign Affair』。
この中からシングル・カットされたのは『Twilight Zone/Twilight Tone』で、Billboardのシングル・チャートで最高位30位を記録する大ヒットとなり、イギリスでは最高位25位を記録している。
この中からのお薦め曲は、本アルバムの中で6分を超える大作とっている『Birdland』『Twilight Zone/Twilight Tone』(この2曲はあまりにも有名な彼らの代表曲でもある。)と『Body And Soul』『Trickle Trickle』『Foreign Affair』という所をピックアップしておく。
男女4人で美しいコーラスを聴かせてくれるグループというと、当時はABBAがいた。ABBAのサウンドはポップなものであってとても聴きやすいものであるが、彼らのサウンドはジャズのテイストがベースにあるだけに、また違ったハーモニーを聴かせてくれている。特に『Twilight Zone/Twilight Tone』は、ディスコ・ブームからくるダンス・ミュージックとしても違和感の無いものであって、これまでの彼らとは全く無縁という新たなファンを生むことにもなった。(ただ、そういうファンは、自作から元の路線に戻った彼らにはついて来ることはなかった。)
ポピュラー音楽ファンがジャズの世界に足を踏み入れる場合(逆にジャズファンがポピュラー音楽に足を踏み入れる場合も含むが、こちらは少数派でしょうね...)、その窓口になるアルバムでもある。聴いておきたいアルバムの一つである。
↓こちらはゴールドCDです。
↓LPもあります。
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