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ケータイ刑事銭形泪27話(2nd.14話)[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]

通算では27話となる「銭形泪・2nd.14話」の「BS初のミュージカル!! ~歌って踊って殺人事件(前編)」の「裏ネタ編」の2回目となる今回は、この物語で色々と登場している「祟り」について、「惨劇」について、そして柴田さんが必死になって見たと主張した「幽霊」について、そしてこの作品からのネタが多用されているということで「映画『八つ墓村』」について記します。尚、「幽霊」については「・10話[裏ネタ編]」で記しているが、それをベースに加筆しました。

尚、約3年前になるBS-i(当時)のこの物語の再放送時に記した記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

祟り」:神仏や怨霊という科学では証明できない存在から受ける災いのこと、またはその災いを与える超自然的な力のことを指して言う言葉である。

基本的に、禁忌を破った罰として人間が罰として受けるものということになっていて、疫病の大流行、飢饉、天災などがその罰として起こったものと認識されている。(例えば、神仏に祈りをしなかったために飢饉が起こったというこの物語で語られたものは、典型的な「祟り」と言うことが出来る。)そのため、神社などでは様々な祭祀が執りおこなわれることになる。

「神の怒り」ではない祟りということでは、死霊や怨霊によるものがある。これらは何か恨みを抱いて死んだ人の魂が怨霊となり、その恨みを晴らすために祟ると信じられている。特に、非業な最期を遂げた人が怨霊となって、というものは各地で語り継がれている。(特に有名なのが、菅原道真の祟りと言われるものがある。(太宰府に左遷され、現地で没した。すると天変地異が多発したことで天皇が恐れた、)→そのため、菅原道真の神霊を北野天神として篤く祀り、学問の守護神として昇華させ、奉り、魂を鎮めることを行った。)

尚、「祟り」という言葉がタイトルに入った映画は殆どない。(ひらがな表記の「たたり」、カタカナ表記の「タタリ」、ローマ字表記の「TATARI」も含む。)これは、製作者が何かあることを恐れてのことなのでしょうね。(洋画であっても、邦題に「祟り」という言葉を付けて何か起こることを恐れているものと思われる。)

参考までに記しておくと、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字表記を含めてタイトルに「たたり」という言葉がある作品では、1963年のアメリカ映画「たたり」(原題:THE HAUNTING)というホラー作品(1999年にリメイクされたが、リメイク作の邦題は「ホーンティング」(原題は「THE HAUNTING」で同じである。)と、1959年の「地獄へつゞく部屋」(原題:HOUSE ON HAUNTED HILL)のリメイク作として1999年に製作された「TATARI」(原題:HOUSE ON HAUNTED HILL)ぐらいである。(「死霊のしたたり」にも「たたり」とあるが、これは「祟り」ではなく「したたり」なので、除外している。)

惨劇」:英語では「Tragedy」と言う。元々は舞台劇で内容が惨たらしいもののことを指して言う言葉であった。(あくまでも「劇」のことであり、フィクションである。)そこから転じて、惨たらしい事件や悲惨な出来事と言う現実に起こったこと(事件)でも、思わず目をそらしたくなるような出来事のことを言うようになった。→これも、言葉は生きものであって、変わっていくということを表している所である。

小説、映画、ドラマでも「惨劇」という言葉がタイトルに入った作品は多々ある。が、そういう作品の殆どがホラー映画か、殺人事件が起こった推理ドラマである。(言葉の意味を考えたら、そうなるのも当然である。)

そんな中から有名な作品をいくつか拾っておくと、1960年のアメリカ映画「アッシャー家の惨劇」(原題:HOUSE OF USHER)がある。これは原作がエドガー・アラン・ポーであり、監督がロジャー・コーマンということで、それぞれの世界(推理小説、ホラー映画)でも評判の高い作品である。また、カルト作品ということでは1981年のアメリカ映画「ファンハウス/惨劇の館」(原題:THE FUNHOUSE)、古典的な作品では1929年のアメリカ映画「グリーン家の惨劇」(原題:THE GREEN MURDER CASE)といったところでしょうかね。

尚、シャーロック・ホームズや金田一耕助が登場する作品でも「惨劇」という言葉がタイトルに入った作品があって映像化されているが、映像作品ということでは今一つというものが多く、映像作品ではスプラッター映画を含むホラー映画の方が派手な作品が多い。

幽霊」:日本の民間信仰で、人間が死んで肉体が消滅した後でも現世に未練や恨みを持っているために成仏できず、浄土に行くことが出来ない魂が、姿と声を持って因縁ある人の前に出現するもの、という定義されている。しかしその存在は科学的には証明されていないが、現在でも怪談という形で語り継がれている。

また、それ以外でも、死者の魂、おばけ、という意味でも使われていて、これらから派生した意味としては、「実体を持たず、名前だけ存在しているものの頭に付ける接頭語としても使われている。(例えば、幽霊会社、幽霊部員、幽霊会員など。)

死者が現世に姿を現すという考えは洋の東西を問わずあるもので、西洋では「Ghost」と呼ばれている。しかし西洋では幽霊屋敷、幽霊船というように、人間以外のものに魂が宿ったというものが多く、この点が日本とは違っている所である。(東洋では直接現れるというものが多い。)

日本の幽霊では、イメージとしては、乱れた髪、頭には三角頭巾、足が無く、白装束というのが定着しているが、これは江戸時代の浮世絵に記されたものであって、これが現代まで受け継がれているものである。それ以前の幽霊には足があった。(西洋の幽霊は足があるのが一般的であり、足がないというのは日本徳有のものである。)

ちなみに、1825年7月26日に江戸・中村座という芝居小屋で「東海道四谷怪談」が初公演されたことから、7月26日が「幽霊の日」ということになっている。

映画『八つ墓村』」:横溝正史原作で、名探偵・金田一耕助が活躍する物語である。舞台は岡山県のある山合の村であり、惨殺された落武者の祟りという伝説がある八つ墓村で連続殺人事件が起こり、金田一が事件の謎を解いていくというものである。

これまでに何度か映画化されていて、TVドラマにも成っている作品である。また、本作に出てきた台詞である「祟りじゃ~」は流行語にもなった。

まずは1951年に片岡千恵蔵が金田一耕助に扮した作品である『八ツ墓村』がある。(本作は「八つ墓村」ではなく「八ツ墓村」というように「つ」がカタカナ表記となっている。)

作品データを記しておくと、1951年の東映京都の作品で、時間は131分、白黒作品である。原作は横溝正史、監督は松田定次、脚本は比佐芳武と高岩肇の2人、撮影は川崎新太郎、美術は角井平吉、音楽は深井史郎である。そして出演は、片岡千恵蔵、相馬千恵子、御園裕子、進藤英太郎、原健作、信欣三、朝雲照代、千秋みつる、千石規子、戸上城太郎、大友柳太郎、松浦築枝、毛利菊枝、植村進、たちである。

続いて、角川映画による金田一耕助作品がブームになっていた時期に松竹が、金田一耕助に渥美清を廃して制作した作品がある。(この時期の角川映画は「八つ墓村」は映画化していない。)公開された当時、横溝正史が「原作のイメージに近い」と賞賛したものの、興行的には今一つパッとしなかったという曰くのある作品でもある。

作品データを記しておくと、1977年の松竹作品で、時間は151分、原作は横溝正史、監督は野村芳太郎 、脚本は橋本忍、撮影は川又昂、特殊メイクはマキシーン・坂田、美術は森田郷平、音楽は芥川也寸志である。そして出演は、渥美清、萩原健一、小川真由美、花沢徳衛、山崎努、山本陽子、市原悦子、山口仁奈子、中野良子、加藤嘉、井川比佐志、綿引洪、下絛アトム、夏木勲、田中邦衛、稲葉義男、橋本功、大滝秀治、夏純子、藤岡琢也、下絛正巳、山谷初男、浜田寅彦、浜村純、吉岡秀隆、たちである。

そして、'90年代に、約20年ぶりに市川 崑監督が手掛けた作品があって、ここでは豊川悦司が金田一耕助に扮している。

作品データを記しておくと、1996年のフジテレビ、角川書店、東宝の作品で、時間は127分、原作は横溝正史、監督は市川崑、脚本は市川崑と大薮郁子の2人、撮影は五十畑幸勇、美術は櫻木晶、音楽は谷川賢作である。そして出演は、豊川悦司、浅野ゆう子、高橋和也、喜多嶋舞、岸田今日子、宅麻伸、岸部一徳、萬田久子、加藤武、白石加代子、神山繁、吉田日出子、石倉三郎、石橋蓮司、西村雅彦、うじきつよし、井川比佐志、今井雅之、小林昭二、織本順吉、大沢さやか、横山道代、川崎博司、たちである。

また、1978年に毎日放送が製作したドラマ「横溝正史シリーズⅡ」の「八つ墓村」は1時間枠のドラマの5回連続ということで、時間としたら約230分ということで、細かい所までしっかりと描かれた作品となっている。(但し、TVの連続作品として製作されているので、事件が定刻に起こって次回に引っ張っているという所があるのが...)この作品では金田一耕助は古谷一行が演じていて、他の出演者たちは、荻島真一 鰐淵晴子 松尾嘉代 中村敦夫 内田朝雄、たちである。

本作は横溝正史作品の中でも人気の高い1本であることから、映像化も多く、それぞれがDVDでもリリースされていることも多いので、一度は見ておきましょう。(筆者のお薦めは、古谷一行主演のTVシリーズ全5回です。

そう言えば、を演じた黒川さん出演の「名曲探偵アマデウス」でも、「八つ墓村」を元ネタにした物語がありましたね。(ファイルNo.005のシューベルト「弦楽四重奏曲・死とおとめ」で、そこでは「八つ橋村」となっていました。)

 

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