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ケータイ刑事銭形泪28話(2nd.15話)[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]

銭形泪・2nd.15話」(通算28話)の「BS初のミュージカル!! ~歌って踊って殺人事件(後編)」の「裏ネタ編」も3回目となるが、今回はちゃんたちが村人たちから受けた「シュプレヒコール」について、高村さんが口にした言葉から2つ、「魔性の女」についてと「目には目」について、そしてポン踊りについて語られた「封印」について記します。

また、約3年前になるBS-i(当時)のこの物語の再放送時に記した記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

シュプレヒコール」:「Sprechchor」。ドイツ語であって、元々は演劇用語である。英語では「Chorus of Shouts」と言う。古代ギリシャ劇に見られた1つの詩や台詞を複数の人で合唱するように、抑揚を付けて同時に連呼することを指して言う。

これが第一次大戦中にドイツの革命家のK・リープクネヒトが、戦時公債に反対し、反戦運動を行う時に使い、それ以後、集会やデモ行進を行う際に、自分たちの主張やメッセージ、スローガンを大勢で繰り返して叫ぶことを行い、これが演劇の世界でのシュプレヒコールの形に似ていることから、以後は集会やデモの時に叫ばれるものを指して言うようになった。(元々が演劇会の専門用語であることと、第二次大戦以降、世界でデモや集会でこれが行われていることから、現在ではこちらの意味の方が一般に認識されているようになった。)

日本では、戦後の様々な労働運動や学生運動ではこれらは当たり前の用に見られ、現在でも集会などでは、士気を高めるために叫ばれる事がある。1960年代の安保闘争時には「安保反対」というスローガンが頻繁に叫ばれ、労働運動(メーデー)では賃上げ要求がスローガーンとなるのはお馴染みである。また、暴力団事務所に対して地域住民たちが「暴力団は出ていけ」と叫ぶというのも珍しくない。このようにシュプレヒコールは、相手に対して反対の意思を示すということが一般的になったことから、相手に賛成する場合や肯定するような掛け声は、同じように叫んでも「シュプレヒコール」とは言わない。

この物語では、もろこし村の村人たちが泪ちゃんたちに「出ていけ!」と叫んでいたが、これは受け入れ拒否という意思表示であるので、立派な「シュプレヒコール」である。(「歓迎、銭形泪ご一行様」ということであったら「シュプレヒコール」にはならず、喚声が飛んだ、とか声援ということになる。)

魔性の女」:英語では「Enchantress」という。「魔性」とは、悪魔のもっているような、人を誑かして迷わせる性質のことを言う。

特に、魅力があって、異性を惹きつけて虜にしてしまう女のことを「魔性の女」と言うが、言葉上の意味では魅力がある女ということを意味する。(尚、男女を逆にすると「魔性の男」という言葉になるが、この言葉は語られることはない。)が、世間での認識はそこから先の段階に進んでいて、男性経験が豊富な女、または男をとっかえひっかえする女、男を骨抜きにしてしまう女、などのように、蔑んだ見方をして用いられる言葉となっている。また、程度の違いがあるものの、「悪女」「魔女」という「悪い女」というイメージが定着している。

この物語では、高村さんに「魔性の女」と言われた輝子が自殺をしてしまう(実は偽装自殺でしたけど...)が、これは「魔性の女」とは世間では「悪女」として認識されている証と言うことになる。(ただ、輝子は幼なじみの複数の男との間でのことだったので、高村さんの言い方も余りにもオーバーだったということにもなりますけどね...)

芸能人などの有名人では「魔性の女」と言われる女性が何人もいる(中には「魔性の女」ということをセールスポイントにする人もいる。)が、女に対する感覚は人それぞれでもあるので、ここでは特に名前を挙げることは控えることにしておきます。

目には目」:ハンムラビ法典(「ハムラビ法典」とも言う。紀元前18世紀、初代バビロニアの王となるハンムラビが発布した法典であって、現存する法典の中では2番目に古いものである。(現存する最古の法典は、紀元前22世紀のウル第三王朝の初代王・ウル・ナンムが発布したものである。))の196条と197条にあるとされていて、旧約聖書や新約聖書の各福音書にも記述がある「目には目を、歯には歯を」という言葉を指している省略した言い方である。

「目には目を、歯には歯を」という言葉は、「害を加えられたら、やられたのと同等の報復をする」ことを言う。しかし、これは誤解されていることが多く、「やられたらやり返す」という部分が一人歩きしてしまって、倍返し、3倍返し、…、と言うように、過剰な報復を行ってもよい、と認識されている部分がある。(これは誤解である。)この言葉は、「報復すること」を認めているが、ここで言う「報復」というのは、「やられたことと同じこと」であり、「同等のやり方でやり返す」ということである。倍返しなどのように過剰な報復は禁じている。

例えば、目を潰されたら相手の目を潰すという報復、歯を折られたら歯を折り返すという報復は認めるが、それだけである。(目を潰されたから歯を折る、ということではなく、あくまでもやられたことと同じことをやり返し、それ以上のことは許さないということである。)これは、相手から受けた犯罪行為に対して、それを侵した犯罪者が何処までの罰を受けるのか、すなわち「罰の上限」を定めたものであり、この考えは近代の刑法に影響を与えることになった。

しかし、キリストは、例え同等のことで報復するとしても、相手にやり返すこと自体を否定している。(これを認めると、いつまで経ってもやり返すこと、つまり報復が続くことになり、平和の訪れる日は来ないということである。)

また、日本では「仇討ち」というものが江戸時代には認められていたが、これは(夫を)殺された場合に(妻やその子が)相手に対して同じことをやり返すということであり、この言葉と同じ考え方である。但し、江戸時代にはハンムラビ法典は日本には入っていない。→世界では同じような考えが行われているということになる。

ちなみに、英語では「An eye for an eye, and a tooth for a tooth」と言う。

封印」:英語では「Seal」、封じ目に印を捺すこと、または封じ目に捺してある印のことを言う。これがあることで、それは閉じ込められた状態が継続していることを証明することになる。(開いてしまうと、元に戻すことが出来ないので、再び開かれることが無くなる。)よって、手紙を封筒に入れて、封をした後、そこにこれを設けることで、その封筒が相手に届くまでに開封していないことを証明することになるので、広く使われるようになった。また、後に、これが簡略化されたものとして、現在、封筒を閉じた時、そこに「〆」と記す(他の文字を記す場合も当然ある。)のが一般的に行われている。(これも「封印」である。)また、現金書留の封筒では、さらに厳重にするため、シートを貼って捺印を行うが、これも「封印」の形が変わったものである。

また、封印を行うことで、それ以上、そのことに関しては蒸し返すことをやらない、若しくは事を荒立てない、それで終わりにする、という意味としても使われるようになった。

この物語では「封印を解いたらいかん」ということで語られたが、「解く」というのは「解除する」という意味であり、再び開ける場合は封じ目に捺した印を解くことをしないとならず、「解く」という言葉が使われる。また、封筒に使われた封印はパラフィンなどの蝋が使われ、溶かした蝋の上から捺印を行って紋章を付けることが行われていたが、それを取り除いて封筒を開いていたことから「解(ほど)く」ことが行われていたことから、「封印を解く」と言われるようになったという説もある。

 

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