OLIVIA NEWTON JOHN『MAKING A GOOD THING BETTER』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1977年に発表された彼女の10枚目のスタジオ・アルバムである。邦題は「きらめく光のように」。カントリー界の妖精からシンガーとして脱皮を図り、随分とサウンドの方にも変化が見られる。本アルバムには有名なカヴァー曲があるのをはじめ、シンガーとして大きく成長した姿が見られる。世界的に見ると、チャート成績やセールスの方は今一つということになったが、日本では正に絶頂期であって、オリコンでは最高位3位を記録している。(チャート成績は日本が最も良かった。)
収録曲は以下の全11曲である。『Making A Good Thing Better』『Slow Dancing』『Ring Of Fire』『Collin' Down』『Don't Cry For Me Argentina』『Sad Songs』『You Won't See Me Cry』『So Easy To Begin』『I Think I'll Say Goodbye』『Don't Ask A Friend』『If Love Is Real』。
本アルバムからシングル・カットされたのは、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Making A Good Thing Better』(Billboardで最高位87位)と『Sad Songs』である。やはり日本でのチャート成績が良く、前者は最高位56位、後者は最高位84位をオリコンで記録している。
本アルバムからのお薦め曲はミュージカル「エヴィータ」からの『Don't Cry For Me Argentina』、シングル・カットされている『Sad Songs』、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Making A Good Thing Better』、そして『Slow Dancing』『Don't Ask A Friend』『If Love Is Real』をピックアップしておく。尚、『Making A Good Thing Better』は杏里のヒット曲「オリビアを聴きながら」が生まれることになった曲でもある。
これまでのアルバムや、後のアルバムと比べると、派手な所が無く、地味な印象のするアルバムであるが、曲の方は粒ぞろいの佳曲が集まっている。所謂「捨て曲」というものがなく、クオリティは高い。彼女の透明感溢れるボーカルも健在であって、たっぷりと聴かせてくれている。これに、もう少し派手な所があったら、チャート成績やセールスも大きく伸びたであろう。が、シンガーとして一皮剥けた所を見せたということで、オリビアを語る上では欠かせないアルバムの一枚である。
彼女のベスト盤でも、本アルバムは置き去りにされていることがあるが、逆に言うと隠れた名曲があるというアルバムということになる。じっくりと聴きたいアルバムである。
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